新しいBingとEdgeが一般公開 誰でも利用可能に/Appleが「緊急セキュリティ対応」を配信週末の「気になるニュース」一気読み!(2/3 ページ)

» 2023年05月07日 06時00分 公開
[山本竜也ITmedia]

イタリアでChatGPTのサービス再開

 イタリアのデータ保護機関(GPDP:Garante per la protezione dei dati personali)は4月28日(現地時間)、3月末からイタリアでの利用を制限していたChatGPTに関して、ユーザーデータの透明性と権利が確保されたとして再びアクセス可能になったと発表した。

イタリアでChatGPTのアクセス制限が解除された イタリアでChatGPTのアクセス制限が解除された

 ChatGPTでは、AIを学習にするために入力されたデータなどを利用している。しかし、イタリア当局はアルゴリズム学習の目的で個人データを大量に収集/保存することを正当化する法的根拠が欠如するとし、イタリアからChatGPTへのアクセスをブロックしていた。

 これに関してChatGPTを提供するOpenAIは、GPDPからの要求に応じていくつかの追加施策を実施。GPDPがそれを了承し、アクセス制限を解除した。なお、OpenAIに対して開始された調査は、EUのデータ保護委員会に設置されたタスクフォースで継続されるとのことだ。

 OpenAIによる追加施策の主な内容は、下記の通り。

  • アルゴリズム学習のためにどのような取り決めで個人情報が処理されるのか、誰もがその処理からオプアウトできる権利を有していることを記した情報をWebサイトで公開
  • プライバシーポリシーの拡充
  • EUユーザーに対し、アルゴリズム学習のデータ処理からオプトアウトできるオンラインフォームを設置
  • イタリアで再開時に、プライバシーポリシーと個人情報処理に関する情報へのリンクを含むウェルカムバックページを導入
  • データ主体が誤った情報の削除を要求できる仕組みを導入する。ただし、現状では技術的に不可能であることも明記
  • ユーザー向けの情報通知に、契約に基づいたサービス提供のため、特定の個人情報処理を継続することを明記。個人情報をアルゴリズム学習で利用する場合には、オプトアウトする権利を損なうことなく、性能な利益という法的根拠に基づくことを明確化
  • イタリアの既存ユーザー向けに用意されたウェルカムバックページに、再アクセスするためには18歳以上であること、13歳以上の未成年の場合には保護者の同意があることを確認するボタンを設置
  • 新規ユーザー登録の際に年齢確認を導入。13歳未満のユーザーをブロックし、13歳〜18歳の場合には保護者の同意が必要なことを明確化

AppleとGoogleが位置情報追跡デバイスの悪用防止で業界規格を提案

 AppleとGoogleは5月2日(現地時間)、Bluetoothで位置情報を追跡するデバイスにおいて、悪用を防止するための業界規格の提案を標準化団体であるInternet Engineering Task Force(IETF)に行った。今後3カ月に渡って関係団体によるレビューを行い、2023年末までに規格の最終版が公開される予定としている。

AppleとGoogleが、トラッカーデバイスの悪用を防止するための業界規格の提案を行った AppleとGoogleが、トラッカーデバイスの悪用を防止するための業界規格の提案を行った

 AirTagを始めとするトラッカーデバイスは、紛失防止で役立つ一方、それを悪用したストーカー被害も発生している。Appleでは自分のものではない「AirTag」が近くにある場合、通知を出すなどの対策を導入したが、Androidでは別途アプリをインストールしておく必要があり、有効な対策とはなっていない。

 提出された規格案では、トラッカーが所有者のデバイス(スマートフォンなど)から離れている場合に、Bluetooth LEによる通知を行う仕組みを導入する。OSがこれを受信することで不審なトラッカーが近くにあることを発見できるようになる。

 この規格は、iOSおよびAndroidの将来バージョンでサポートされるとしている。

Googleアカウントが「パスキー」に対応しパスワード不要に

 Googleは5月3日(現地時間)、Googleアカウントでパスキーのサポートを開始したと発表。個人のGoogleアカウントの場合、既に利用可能となっている。Google Workspaceアカウントの場合、間もなく管理者がエンドユーザーのパスキーを有効にするオプションが提供される。

Googleアカウントがパスキーのサポートを開始した Googleアカウントがパスキーのサポートを開始した

 パスキーは、パスワードレス認証の普及を目指すFIDOアライアンスが策定した「WebAuth API」を利用する認証方式だ。アプリやWebサイトにデバイスを登録することで、デバイスのロック解除と同じ方法(指紋/顔スキャン/画面ロックPIN)でサインインできるようになる。

 パスワードやSMSによるコード認証などを必要としないため、フィッシングなどの攻撃に強いという特徴があり、日本では、既にYahoo!やドコモ、メルカリなどがパスキーをサポートしている。

 5月4日の「世界パスワードの日」にあわせて発表されたもので、Googleは「2024年の世界パスワードの日には、パスワードを使う必要も、ましてや覚えておく必要もなくなるかもしれない」とパスキーを推進する考えだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー