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» 2021年04月22日 22時40分 公開

「AirTag」が活躍する風景 Appleの新たなチャレンジAppleは失せ物探しを再発明できるか(1/3 ページ)

Appleから遂に発表された「AirTag」。同社の「探す」エコシステムを活用することで、プライバシーを保護しながら失せ物探しに貢献する。実際のふるまいなどを林信行氏がチェックした。

[林信行,ITmedia]

 Appleから発表された紛失防止タグの「AirTag」。よく持ち歩く大事なものに取り付けておくと、紛失した時にiPhoneを使って探すことができるようになる。

 とはいうものの、実際はどのようにふるまったり活用されたりするのか。いくつかの想定シナリオを用意するでイメージしながら読み進めてほしい。

AirTag Appleから発表された「AirTag」。碁石のようなボディーで、内蔵バッテリーにより約1年動作する。4月30日に発売される

シナリオ1――サウンドで発見

 やっとカフェで落ち着いた。そこで、ふと気がつく。手に持っているのはコートだけだ。バッグが見当たらない。どこだろう? あわててiPhoneを取り出し、Siriに聞く。

「バッグはどこ?」

 Siriが「バッグは近くにあるようです」と応えると同時に、イスの下から澄んだ美しい高音のメロディーが聞こえてくる。どうやら、イスの下に入れたのを忘れて腰掛けていたようだ……。

すぐ近くにAirTagがある時は音を鳴らして教えてくれる

シナリオ2――探すアプリを使って自力で発見

 やっとカフェで落ち着いた。ふと、気がつく。手に持っているのはコートだけだ。バッグが見当たらない。どこだろう? あわててiPhoneを取り出し、Siriに聞く。

「バッグはどこ?」

 Siriは近くにあるというけれど、音が聞こえない。iPhoneで「探す」アプリを起動して、「探す」というボタンを押す。「接続されました」の後に「電波が弱いです。近くを移動してみてください」と表示される。

 右に左に移動していると、そのうち「見つかりました」と表示され、緑色の画面に矢印が表示される。指示通り矢印の方向に8m進んだ。今度は矢印が右を指したので、そちらに移動する。「なんだトイレじゃないか」トイレのドアを開けると、洗面台の横にカバンが置きっぱなしだった……。

ちょっと離れた場所にAitTagがあっても、通信できる範囲であれば距離と向きを教えてくれる

シナリオ3――探すアプリを使って発見

 Siriに聞く。

 「バッグはどこ?」

 「現在、バッグと通信ができなくなっています。つい先ほど確認されていて、明治通り沿いにありました」とSiriが応える。明治通り沿い?

 「さっき訪れた取引先か!」

 電話をかけてみたところ、バッグは取引先の受付に預けられていたようだ……。

AirTag 最後に発見された場所を住所や近くの通りの名前で教えてくれる

シナリオ4――探すアプリを使って見つけてもらう

 Siriが伝える。「バッグが最後に確認されたのは20分前で渋谷区富ヶ谷2丁目22から28の付近です」

 先ほど、タクシーで通った辺りだ。一応、住所の場所に行ってみるも、当然、バッグは見当たらない。タクシーを降りた後に寄った場所を一通りのぞいてみたけれど、どこにも見当たらない。いったん、自力で探すのはあきらめて「探す」アプリでバッグの「紛失モード」を有効にして、家に帰る。すると、自宅に向かおうとホームで電車を待っているとiPhoneにうれしい通知が表示された。

 「バッグが見つかりました」

 地図が表示されるものの「渋谷区渋谷3丁目? そんなところには行っていないけれどなぁ……」。地図を拡大してみると「渋谷警察署」だった。

 警察署にバッグを取りに行くと「さっき届いたばかりですよ。どうしてこんなに早く分かったんですか?」と驚かれた。

AirTag 紛失モードにしたバッグも、他の人のiPhoneを経由して位置を特定し場所を教えてくれる

シナリオ5――紛失モードで見つけてもらう

 カバンがどこにも見当たらない。自力で探すのはあきらめて「紛失モード」に設定した。

 翌日、見知らぬ人から電話がかかってきた。「つい先ほど、近くの生け垣にカバンが落ちているのを見かけたのですが、カバンにニュース記事で見たことがあるAirTagがついていました。試しにニュースで見た通りに私のAndroid端末を近づけたら、このAirTagについてというWebページに、電話番号が表示されたのでかけてみました」という。会う約束を取り付け、地元のお気に入りのお菓子を買ってバッグを受け取りに行った。

あらかじめAirTagにメッセージや電話番号を登録しておくと、NFC対応スマートフォンを使って調べることができる

 紛失防止タグのAirTagだが、買ったのはいいが、できるだけ活躍してくれない方がうれしいという特殊な製品だ。しかし、大事なものの紛失という、日々繰り返されるアクシデントに対して実にスマートな解決策を提供してくれる。

 まるで白い碁石のような本体には、スイッチもボタンも一切ない。パッケージから取り出したら、内蔵しているコイン電池(CR2032)を絶縁しているフィルムを引き出すことでスイッチが入り、その後、およそ1年間動作し続ける。

 iPhoneを近づけると、ワイヤレスイヤフォンの「AirPodsシリーズ」と同じ要領で画面に接続するかという確認画面が出てきて、「接続」を押すとペアリングが行われる。カバン用か、鍵用か、自転車用の設定など、全ての設定はiPhone側で行う。上のシナリオ1〜3は、AirTagと自分のiPhoneとの通信で実現している機能だ。

AirTagのセットアップも実にスマートだ

 AirTagまでの距離や方向まで教えてくれるシナリオ2は、UWBという電波を用いた通信になっていて、「U1」というチップを搭載したiPhone(2019年登場のiPhone 11以降)でのみ利用できる。

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