液晶ディスプレイの上部には、約92万画素のプライバシーシャッター/顔認証ユニット付きWebカメラとアレイマイクを搭載している。カメラはプライバシーシャッター付きで、顔認証用の赤外線(IR)撮影機能も統合している。
画素数からも分かる通り、カメラの撮影解像度はHD(1280×720ピクセル)解像度が上限となる。昨今はフルHD(1920×1080ピクセル)解像度の撮影に対応したカメラを搭載するモデルも多いが、どうしてもコストは高くなり、実装に必要なスペースも増えてしまう。VAIO FシリーズとVAIO Pro BK/BMのコンセプトを考えると、この点はトレードオフとなったのだろう。
ただ、先述のボディーデザインと同様に、コストダウンの影響を極力抑えるための工夫もなされている。まず、カメラは自然なアングルとなるように、5度下方に傾けて取り付けられている。CPUの機能を生かしてリアルタイムで「背景ぼかし」や「逆光補正」を行う機能も付いており、HD解像度ながらも品質は良好である。
また、マイクについても機械学習ベースのAIによるノイズキャンセリングに対応しており、よい音声を相手に届けられるようになっている。
顔認証と指紋認証の両方に対応しているのもポイントだ。
指紋センサーは電源ボタンと一体化されており、「Windows Hello」に指紋情報を登録すれば、電源を押す動作のみでPCの起動からログインまでシームレスに行うことができる。ハイブリッドワークではセキュリティを確保するためにこまめなPCのロックが不可欠だが、生産性を低下させないためにはスピーディーなログイン(認証)方法も事実上必須である。
ノータッチでログインできる顔認証だけでなく、マスクをしたままでもサッと指を触れるだけでロックを解除してログインできる指紋認証をサポートしているのはありがたいところだ。
なお、ビジネスモデルモデルであるVAIO Pro BMは指紋センサーを搭載しておらず、顔認証のみ対応している。
新モデルのキーボードも好印象だ。6段配列のアイソレーションタイプで、VAIO F14より大きくなったことを生かしてテンキーも搭載する。
実測のキーピッチは、縦方向/横方向共に約19mmとなっている。極端に小さいキーもなく、Enterキーは大きめで、カーソルキーが独立して配置されているなど、使いやすい配列だ。キートップにはわずかなくぼみが付けられていて指が置きやすく、スイッチの感触も良好である。
加えて、キートップの文字は、透明樹脂の上に文字色塗装と表面色塗装を重ね、後者をレーザーで剥離させる手法で印字している。その上から、さらに特別配合したUV塗装を行なうことで摩耗や汚れへの耐性を高めている。
アルミ合金製の1枚板を利用したパームレストも、傷に強い表面処理を施し、長期間美しい外観を保てるように配慮している。
VAIO Fシリーズと同時に、VAIOは「ワイヤレスマウス(VJ8MS1A)」を発売している。VAIOストアでの販売価格は税込みで3850円で、CTOモデルを購入する場合は3000円で追加可能だ(※2)。
(※2)本体色によって付属できるカラーは異なる(詳細はVAIOストアまたはソニーストアで確認してほしい)
上品なカラーリングと丸みを帯びたフォルムにVAIOロゴをあしらったビジュアルは、VAIOらしいエレガントな仕上がりだ。UV硬化塗装で防汚性能を強化し、約76cmからの6面落下試験を実施するなど、耐久性にも配慮されている。
マウスとしての機能は「2ボタン+ホイールボタン」とシンプルで、ボタンは静音仕様となる。静音ボタンはカチカチとした音がしない一方で、押し込んだ際の感触が独特なので好みが分かれる。
このマウスの便利なポイントが“接続性”だ。2.4GHz帯のUSBドングルとの無線接続の他、Bluetoothでの接続にも対応している。Bluetooth接続時は最大2台のデバイスとペアリング(ひも付け)できるので、ドングルと合わせて最大3台のデバイスと併用可能だ。
複数のPCを使っている場合は、このマルチデバイス(ペアリング)機能は役立つだろう。
一通り、ハードウェア面での特徴をチェックした所で、ベンチマークテストでその実力をチェックしていこう。
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