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VAIO Pro BKはビジネスノートPCの「新しい定番」にふさわしい? 実力を徹底的にチェック!(1/3 ページ)

» 2023年05月25日 17時00分 公開
[マルオマサトITmedia]

 VAIOの14型ノートPC「VAIO F14」「VAIO Pro BK」は、VAIOが新たにリリースする予定の14型スタンダードノートPCだ。F14はコンシューマー向けモデル、Pro BKはビジネス向けモデルで、ハードウェアの設計は共通している。F14は6月2日に発売される予定で、直販価格は13万1800円からとなる。Pro BKは6月中に受注を開始する予定だ。

 2014年7月にソニーから独立して以来、同社は高付加価値ノートPCを中心に製品を展開してきた。それに対し、VAIO F14とVAIO Pro BKは「Windows PCの新たな“定番”」を目指して開発されたという。

 今回、ビジネス向けモデルであるVAIO Pro BK(Core i7構成)の評価機を入手したので、性能や使い勝手を検証していこう。

VAIO Pro BK VAIO Pro BK(とVAIO F14)は、VAIOが「Windows PCの定番」として提案する、比較的買いやすい価格帯のスタンダードな14型ノートPCである

“ほどほど”に薄型軽量で洗練されたボディー

 ボディーは“ほどほどに”薄型軽量だ。具体的なサイズは約322.9(幅)×221.5(奥行き)×約19.5〜19.7(厚さ)mmで、重量は約1.34kgとなっている。 VAIO Pro BKのボディーカラーはダークメタルグレーのみとなる。VAIOの伝統的なブラックとは色味が若干異なるが、想像以上に違和感はない。

 なお、コンシューマーモデルとなるVAIO F14は、ネイビーブルー、サテンゴールド、ウォームホワイトの3色から選択可能だ。

背面 普及機という位置づけだが、VAIOらしい洗練されたスタイルを継承している。VAIO Pro BK専用色であるダークメタルグレーは、従来のブラック系統のカラーとは色味が異なるが、VAIOらしさをしっかり体現できている
コンシューマーモデル ビジネス向けモデルであるVAIO Pro BK(左)とVAIO Pro BM(16型モデル)はダークメタルグレーのみとなるが、コンシューマーモデルであるVAIO F14とVAIO F16(右)はサテンゴールドなど3色から選べる。なお、VAIO F16のレビューは後日別途行う予定だ

 プレミアムモデルのように薄型軽量を追求すると、丈夫さや放熱性能を確保するために高いコストがかかる。普及価格帯を狙った本製品では、あえて“ほどほど”としたのだろう。それでも、持ち運びやすいサイズ感と重さは確保できており、剛性感も十分にあって気軽に持ち出せる。

 “ほどほど”感は、ビジュアル面でも同様だ。ボトムカバーなど、プラスチック部分の仕上げには普及機らしさを感じるものの、一見して「VAIOだ」と分かるスタイルは健在だ。

 ロゴの入ったアルミニウムのトップカバーやパームレストには、上位機譲りの質感がある。VAIOらしさを残しつつ、ほどほどに上質でカジュアルなイメージに仕上がっている。

天板 トップカバー(天板)はアルミニウム合金製で、中央にはミラーロゴを配置している
底面 底面はプラスチック素材で作られている。ディスプレイ周辺のベゼルも含めて、ボディーのプラスチック素材はあえて“無塗装”としており、環境負荷を低減している
ベゼル部 キーボードベゼルとパームレストはアルミ合金製の1枚板を採用している。粗めのヘアライン加工で質感高く仕上げられている
ヒンジ部 吸気口は底面だけでなくヒンジ部にもある。キーボードベゼルとパームレストは光を強く反射するため、周囲の環境によって見え方が変わる
重量測定 評価機の実測重量は1291gと、公称値である1.34kgよりも少し軽かった

バランスの良い基本スペック

 VAIO Pro BKは、基本スペックについても“ほどほど”になるようなバランス感覚が貫かれている。

 CPUはIntel最新の第13世代CoreプロセッサのUシリーズ(基本消費電力15W)を採用している。VAIO Pro BKはカスタマイズ(CTO)購入が前提となり、CPUも購入時に選ぶ必要がある。今回の評価機はCore i7-1355U(Pコア2基4スレッド/1.7GHz〜5GHz+Eコア8基8スレッド/1.2GHz〜3.7GHz)を搭載する構成だ。

 現行のプレミアムモデルは、基本的にワンランク上のPシリーズ(基本消費電力28W)のCPUを搭載しているが、そうなると熱設計のハードルが上がり、コストもかかる。そのため、あえてUシリーズのみ選択できるようにしているのだろう。

 それでも、最新世代だけあってパフォーマンスは十分なものだ。ビジネスや学習用途でも快適に利用できるのはもちろん、カジュアルゲームやクリエイティブ用途にも対応できる性能を持っている。

Core i7-1355U 評価機のCPUはCore i7-1355Uだった。VAIO Pro BKではCore i5-1334U(Pコア2基4スレッド/1.3GHz〜4.6GHz+Eコア8基8スレッド/900MHz〜3.4GHz)も選択可能で、コンシューマーモデルであるVAIO F14ではCore i3-1315U(Pコア2基4スレッド/1.2GHz〜4.5GHz+Eコア4基4スレッド/900MHz〜3.3GHz)も用意されている
VAIOの設定 CPUとファンの動作モードは、専用ユーティリティーアプリである「VAIOの設定」から選べる

 他にも、メモリがLPDDR4X規格、ストレージはPCI Express 3.0 x4接続の自己暗号化対応SSD(VAIO用語では「スタンダードSSD」)となっており、これらもスペックの“ほどほど”感を体現している。

ストレージ PCI Express 4.0接続のSSDを採用するノートPCが増加傾向にある中、VAIO Pro BKではあえてPCI Express 3.0接続のSSDを採用している。今回は評価機ということもあり、本モデルのCTOオプションには存在しない1TB SSD(Samsung Electronics「PM991a」の1TBモデル)が搭載されていた。なお、VAIO F14のCTOオプションには1TB SSDも用意されている
CrystalDiskMark 「CrystalDiskMark 8.0.4」(ひよひよ氏・作)のスコア。PCI Express 3.0接続とはいえ、一般的な用途では十分な速度を備えている
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