5万円切りでIntel N100搭載の片手に収まる超小型デスクトップPC「GeeLarks X2」を試して分かったこと(2/2 ページ)

» 2023年08月18日 16時00分 公開
[山本竜也ITmedia]
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ビジネス用途なら十分なスコアを記録

 ここからは、ベンチマークテストで本機の実力を探ってみよう。

 本機が備えているIntel N100(開発コード名:Alder Lake-N)は、2023年1月に発売された比較的新しいCPUで、これまでのCeleronやPentiumに変わり、エントリークラスのノートPCなどへの採用が進んでいる。

 Intelの第12世代/13世代Coreでは、省電力なEコア(高効率コア)と高性能なPコア(パフォーマンスコア)で構成されるが、Intel NシリーズはPコアを省いて全てEコアのみで構成されている。

 このように聞くと、低消費電力な“遅い”CPUという印象だが、製造プロセスがIntel 7(従来「10nm Enhanced SuperFin」と呼ばれていたもの)になり、Jasper Lake世代の10nmよりも性能は上がっている。

CPU-Zの画面 CPU-Zの画面。4コア4スレッド、最大3.4GHzで動作するIntel N100を採用している。TDPは6Wで、GPUはIntel Core UHD Graphics(実行ユニット数は24)となる

 CINEBENCH R23の結果は、シングルコアが941pts、マルチコアが2592ptsだった。少なくとも、CINEBENCHのランキング上からは、シングルコアの処理能力は第4世代のCore i7-4850HQ(4コア8スレッド/2.3GHz〜3.5GHz)を上回っていることが分かる。

 なお、同じくランキングからのデータとなるが、前世代となるJasper LakeのCeleron N5100(4コア4スレッド/1.1GHz〜2.8GHz)のスコアはシングルコアが68pts、マルチコアが1729ptsであり、大きく性能アップしているといえる。

CINEBENCH R23のスコア CINEBENCH R23のスコアはシングルコアが941pts、マルチコアが2592ptsだった
ランキング上では、シングルコアはCore i7-4850HQより上、マルチコアではCore i7-1065G7(4コア8スレッド/1.3GHz〜3.9GHz)よりやや下となる ランキング上では、シングルコアはCore i7-4850HQより上、マルチコアではCore i7-1065G7(4コア8スレッド/1.3GHz〜3.9GHz)よりやや下となる

 PCの総合的なパフォーマンスを測るPCMark 10の結果は、総合スコアが3206だ。Webブラウジングやビデオ会議など、一般的なPCの使い方の指標となる「Essentials」は7378と高く、こういった用途であれば問題なく利用できそうだ。

 一方、オフィスアプリのパフォーマンス指標となる「Productivity」は4966とやや低く、写真編集や動画編集などクリエイティブ作業の「Digital Content Creation」は2441とさらに低くなっている。オフィスアプリ中心の作業では使えそうだが、写真編集などの用途には向かないだろう。

PCMark 10のテスト結果 PCMark 10のテスト結果

 参考までに、Jasper Lake世代のCeleron N5100を搭載した10.51型のノートPC「CHUWI MiniBook X」(メモリは12GB LPDDR4X、ストレージは512GB) のスコアは、総合で2265、Essentialsは5524、Productivityは2939、Digital Content Creationは1945だった。これと比べると、Intel N100はかなりパフォーマンスがアップしていることが分かる。

 最後に、ものは試しで3Dの描画性能を測る3DMarkも実施してみた。こちらもMiniBook X(Intel Core UHD Graphics)と比較してみたが、やはりGeeLarks X2が上回っている。とはいえ、どちらもスコアは全体的に低く、3Dのグラフィックを使うゲームのプレイなどは難しい。

DMarkのテスト結果を、Celeron N5100搭載のCHUWI MiniBook Xと比べてみた。全体的にIntel N100搭載のGeeLarks X2が上回っている 3DMarkのテスト結果を、Celeron N5100搭載のCHUWI MiniBook Xと比べてみた。全体的にIntel N100搭載のGeeLarks X2が上回っている

いろいろと遊びがいがある超小型デスクトップPC

 実際に本機を触って見た印象だが、動作自体は全体的に快適とはいえず、アプリの起動やWindowsの設定画面を開く際などにもたつくことも多かった。それでも、Webブラウザの操作や、ちょっとしたドキュメント作成なら問題なく利用できる。

 もちろん、YouTubeやNetflixなどの動画視聴にも使えるが、その用途であればChromecastやFire TVで十分かもしれない。

 公式にUbuntuもサポートしているとのことなので、外付けSSD/HDDなどをつなげてNAS的に使ったり、家庭内サーバーしたりするのも面白そうだ。こういった使い方を模索するのも、ミニPCの楽しみ方の1つかもしれない。

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