ぽつぽつ指摘していたら弱点が無くなってしまった…… XPPenの「Artist Pro 16(Gen2)」をプロ絵師が触って驚いたことある日のペン・ボード・ガジェット(3/4 ページ)

» 2023年09月11日 12時00分 公開
[refeiaITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

性能面ではほぼ弱点がなくなったペン

 それではいよいよ、ペンの性能を見ていきましょう。本機はX3 Proスマートチップを搭載した新開発のペンを採用しています。

 まずは問題なかった点から行きましょう。ジッターは問題なし、遅延も問題なし、オン荷重も約9gでワコムのデフォルトの7gぐらいより少しだけ重いとはいえ、問題ありません。そして検知可能な最大荷重はおそらく500g以上で、ワコムと同様に十分以上のダイナミックレンジになっています。

 海外メーカーのペンだと、従来は200g台前半など少し力を入れると頭打ちになってしまうのが当たり前だったので、とてもとても、大きな進歩です。

「オン荷重 3g/筆圧レベル 16384」の謎

 ただし疑問が残る点があるにはあります。1つは、公式にはこの世代のペンのオン荷重は「3g」が訴求されていることです。9gというと「触れているけど線は出ない」を手の感触で出せますが、3gはかなり難しいです。店頭デモ機も含めて本機の異なる3つの個体を触りましたが、いずれもで3gの軽さは感じませんでした。

 もう1つは「筆圧レベル 1万6384」の設定アプリ上での表示です。まず、これを見てください。

なぜ気が付いたのかは謎です

 筆圧値が偶数しか表示されません。これをどう解釈すべきかは分かりませんが、誤魔化すつもりなら隠すのは簡単ですし、悪意があるようには思えないです。いずれ直るでしょうし、仮に8192段階でも十分以上に細かいと考えているので、性能としては心配していません。

 全体として、「上位機のペンとしてはオン荷重がやや高い」というわずかな弱点があることと、訴求の仕方が背伸び気味なのはともかくとして、ダイナミックレンジが大きく改善しているので実用性は上がっているはずです。

実際のお絵描き作業でチェック

 それでは、実際の作業でチェックしていきましょう。ラフと線画では特別軽い筆圧は使わず、ラフ線の重みづけや線の安定のために強めの筆圧は使います。従来の海外メーカーの液タブのような筆圧の頭打ちがないので、ペンをぎゅっと押すような瞬間も不安なく使えました。

XPPEN Technology XPPen Artist Pro 16(Gen2) 液晶ペンタブレット わざと強い筆圧までグリっと使う瞬間を多めに試していますが、普通に快適です

 彩色では軽い筆圧でグラデーションを作ることが多いです。先に述べた通りオン荷重はわずかに劣りますが、布や肌などのグラデーションをつける今回の作業では、意図した通りに濃淡をつけることができます。

XPPEN Technology XPPen Artist Pro 16(Gen2) 液晶ペンタブレット 軽い筆圧を主に使う時でも、問題なく薄くも濃くもできます

 ただし、差がないわけではないです。普段の作業では「Pro Pen 2」のオン荷重をデフォルトより少し下げて使っていて、状況によってはかするような軽いタッチを大きなサイズのブラシで使うこともあります。そういう状況では本機は「インクの乗りが少し不安定だな」と感じることもあります。作業全体に与えるインパクトは小さいですが、そういう運筆がしたいときに自然にできることも、上位機に求められる大事な要素の1つでしょう。

 また、付属の左手デバイスも役立ちました。彩色〜仕上げの工程でキーマクロを再生することが多いですが、小型でキーボードの横などに配置しやすく、手が届きやすいです。

XPPEN Technology XPPen Artist Pro 16(Gen2) 液晶ペンタブレット 個人的にはマクロは画面上ボタン派ですが、本機のドライバーにその機能はありません

 全体としてかなり作業しやすかったです。普段使っているワコムの「Cintiq Pro 16(前期モデル)」と比べても、サクサク感もあり、画面の縦幅にも余裕があり、ペンも「Pro Pen slim」のような軸の細いの選択肢が無い以外には劣っていると感じることは少ないです。

 書き忘れそうになりましたが、発熱も問題ありませんでした。暑い部屋で最大輝度にすると端子近辺の画面が不快な温度になりますが、ペンを持った作業でそのあたりを触れる機会は少なく、それ以外は素手でも問題ない温度でした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月27日 更新
  1. エアコンがない部屋を冷やせる「Dreemstar 冷風扇」がセールで50%オフの9980円に (2026年07月23日)
  2. 64GBメモリ/2TBストレージ/Ryzen AI Max+ 395搭載のハイエンドミニPC「MINISFORUM MS-S1 MAX」がタイムセールで27%オフの43万2799円に (2026年07月25日)
  3. NVIDIAが次世代AI超解像技術「DLSS 5」の今秋投入を明らかに/MicrosoftとMistralが欧州におけるAI演算能力の拡大で戦略的提携を発表 (2026年07月26日)
  4. 高価なグラフィックスカードを守る「過熱保護ケーブル」に注目! 夏を乗り切るNoctua製簡易水冷も販路拡大で続々入荷 (2026年07月25日)
  5. プラネックス、10GbE接続に対応した5ポート搭載アンマネージドスイッチ (2026年07月24日)
  6. 実売2万円切りで実働10日間のバッテリー駆動! 「Amazfit Bip Max」は初めてのスマートウォッチに最適か (2026年07月24日)
  7. 東レの最新カーボン技術で約999gと長時間バッテリーを両立させた“法人向けLAVIE”が登場 ブランド統一の背景とは (2026年07月23日)
  8. Arm版Windows 11は“普通”に使えるのか? 「FMV UQ-L1」で試して分かった快適さと“鬼門” (2026年07月22日)
  9. Windows 11 バージョン 24H2/25H2搭載のデル製PCに6月のプレビュー更新を適用するとパフォーマンス低下の恐れ 「帯域外更新」で対処 (2026年07月23日)
  10. ケーブル抜き差しで“瞬断”しない、バッファローの高出力な多ポートUSB PD充電器が便利すぎる (2026年07月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー