iPhone 15 Proでようやく対応の「Wi-Fi 6E」って何? 「Wi-Fi 6」と何が違う?改めておさらい(1/3 ページ)

» 2023年09月13日 20時40分 公開
[山本竜也, 井上翔ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 9月13日(日本時間)に発表された「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」では、無線LAN(Wi-Fi)の機能において久しぶりのアップデートがあった。「Wi-Fi 6E」に対応したのだ。

 一方で、同時に発表された「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」は、ここしばらくの既存モデルと同様に「Wi-Fi 6」への対応にとどまっている。

 Wi-Fi 6Eを利用するには、Wi-Fi 6Eに対応するルーター(アクセスポイント)が必要がある……のだが、「“E”が付くだけで何が違うの?」と思っている人もいるはずだ。「わざわざ、ルーターを買い換える必要があるの?」とも。

 そこでこの記事では、Wi-Fi 6Eとは何なのか、どのようなメリットがあるのか改めて解説していく。自宅の無線LAN環境のアップデートをするかどうか、検討する際の参考になれば幸いだ。

【訂正:9月14日10時25分】記事中の無線LAN規格の仕様表について、一部数値に誤りがあったため修正いたしました

iPhone 14 Pro iPhoneとしては初めてWi-Fi 6Eに対応したiPhone 15 Pro MaxとiPhone 15 Pro

「Wi-Fi 6E」とは?

 端的にいうと、Wi-Fi 6EはWi-Fi 6を“拡張(Extended)”したものだ。正式な規格名はどちらも「IEEE 802.11ax」と変わらない。何を拡張したのかというと、通信に利用できる電波の帯域である。

 IEEE 802.11axは、新たな無線LAN通信規格として2019年に策定された。この規格は従来規格と同じく「2.4GHz帯」と「5GHz帯」の電波で通信を行うこととされたが、将来的に規格を“拡張”して「6GHz帯」でも通信できるようにする準備が盛り込まれた。

 この準備は、2020年に正式な規格として追記された。これを受けて、日本でも各種検討と法令改正を行い、2022年9月2日から6GHz帯の通信が“合法化”され、現在に至っている。

総務省令 6GHz帯の通信は、2022年9月2日付の総務省令改正で可能となった(改正に関する文章のPDFファイル

 よく見聞きする「Wi-Fi 5」「Wi-Fi 6」「Wi-Fi 7」という呼称は、IEEE 802.11シリーズの無線LAN規格をユーザーに分かりやすく浸透させるべく、Wi-Fi Allianceが定めた“ブランド名“だ。

 IEEE 802.11ac、IEEE 802.11axやIEEE 802.11beといった規格名を出されても、よほど詳しくなければどの規格が“上位”なのか分かりづらい。Wi-Fi 5、Wi-Fi 6、Wi-Fi 7と呼んだ方が数字が世代(≒新しさ)を示していて分かりやすい

世代名 規格名から世代を想起しづらいIEEE 802.11シリーズの課題を解決すべく、Wi-Fi AllianceはIEEE 802.11n以降の規格に世代をもとにしたブランド名を付けた。起点となるIEEE 802.11nは第4世代に相当するため「Wi-Fi 4」となる。現行のIEEE 802.11ax規格は第6世代で「Wi-Fi 6」、次世代のIEEE 802.11be(2024年確定予定)は「Wi-Fi 7」となっている(出典:Wi-Fi Alliance

 Wi-Fi Allianceによるブランド名は、IEEE 802.11ax規格の策定に合わせて運用が始まった。Wi-Fi 6ことIEEE 802.11ax規格は、先述の通り当初は2.4GHz帯と5GHz帯を規定しており、後から6GHz帯に関する規定が追加された。何でもかんでも「Wi-Fi 6」と呼んでしまうと、6GHz帯での通信に対応するか、ユーザーが判別することが難しくなる。

 そこで同団体は、6GHz帯での通信に対応するデバイスには「Wi-Fi 6E」という呼称を与えることにした。6GHz帯に対応するかどうかは「E」があるかどうかで判別可能というわけだ。

Wi-Fi 6E IEEE 802.11ax規格では、後から6GHz帯の利用が盛り込まれた。ゆえに、6GHzに対応することを示すブランド名として「Wi-Fi 6E」が作られた(出典:Wi-Fi Alliance

 違いは6GHz帯に対応するか否かのみ――そうなると、ますます「メリットがあるのか?」と疑問に思えてくる。しかし、この6GHz帯対応は想像以上にメリットがある

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月09日 更新
  1. 超小型レトロオーディオ体験をFIIO「Snowsky ECHO NANO」で スマホリスニングのモヤモヤを解消するかも? (2026年09月08日)
  2. 「RTX Spark」搭載のWindows PCは10月に登場 LAN内のPCを束ねてローカルAI処理を分散・高速化する「NVIDIA PAIR」β版も公開 (2026年09月07日)
  3. 10月に登場する「RTX Spark」搭載PCで見た“不可解な”設定値 次期Windowsで変わるGPUメモリの仕組み (2026年09月07日)
  4. ワコム、Android液タブ「Wacom MovinkPad」シリーズを最大約4.8万円値上げ 9月25日から (2026年09月09日)
  5. 両手が塞がっていても瞬間解錠できるスマートキー「SwitchBot スマートロック Ultra 顔認証パッド」がセールで20%オフの2万7980円に (2026年09月08日)
  6. 実売1万円台&縦置き対応! ONPUの14型モバイルディスプレイは初心者の強い味方だった (2026年09月08日)
  7. 省スペースで静音性に優れた3Dプリンタ「Bambu Lab A1 mini」がセールで25%オフの2万9900円に (2026年09月08日)
  8. 再来する“グラボ複数挿し”需要! 220mm径の巨大ファン搭載ケースやFractal新モデルがアキバで話題に (2026年09月07日)
  9. 薄型化とカメラ強化が光る「Pixel 11 Pro Fold」徹底レビュー! Galaxy Z Foldとの比較で見えた“正統進化”の真価 (2026年09月09日)
  10. 天井照明一体型プロジェクター「Aladdin X3 Laser 4K」を試す 4K+3色レーザーで“本気の大画面シアター”に進化 (2026年09月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー