Quest 3は解像度がQuest 2に比べて約30%向上するなど、スペックシート上でも進化していますが、それ以上に上記で紹介した細かな変更点の相乗効果による、装着感や映像の見え方の改善が体感でかなり大きいです。
VRゴーグルのレンズは、映像がきれいに見えるスイートスポット(ピントが合う範囲)があります。Quest 2はゴーグル本体やゴムバンドの位置がバッチリ決まるときれいに見えるのですが、少しでも位置がずれてしまうと映像がぼやけたり、白っぽく見えたり、フレネルレンズ特有の同心円状の模様に沿って光が反射したりといった場面がありました。
つまりスイートスポットが狭いのです。オプションを追加して固定の力を高めて、目がスイートスポットの位置からなるべく動かないようにすることもできますが、調整に一手間かかります。
一方、Quest 3はスイートスポットがかなり広くなっています。装着中にゴーグルの位置が少しズレたとしても映像がくっきり見えたままの場合が多く、非常に快適です。実際、他の人にゴーグルを貸した際も、きれいに映像が見られる位置に微調整する時間がかなり削減されました。
上記のスイートスポットについて分かりやすくイメージしてもらうための実験として、スマートフォンのカメラをゴーグルのレンズに押し当てて撮影してみました。
上段のQuest 3はスイートスポットが広いのでカメラのレンズを大ざっぱに押し当てて撮影しても隅々までクッキリ写っているのに対し、下段のQuest 2はカメラのレンズの位置がシビアで周辺が流れてしまっています。これが人間の目でも同じことが起きるとイメージしてもらえれば理解が早いでしょう。
スイートスポットの改良──これがQuest 3の最大の改善点だと記者は感じています。
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