続いて渋谷モディ1階に設けられた特設会場の模様を紹介しよう。
筆者も実際にQuest 3を体験してみた。選べる6種類のゲームの中から筆者が選んだのは「First Encounters」。見知らぬ惑星にいる球状のエイリアンを、両手のレーザーガン(コントローラー)で撃っていくというもので、MR初心者にもピッタリだという。
フルカラーパススルーで見えている実際の天井を破って宇宙船が落ちてきたと思ったら、壁からエイリアンが来襲。撃ち倒されたエイリアンは宇宙船の天井に開いた入り口にどんどん積み上げられていき、同じ色のエイリアンが複数カウントされると消えていなくなる。落ちゲーと呼ばれるパズルゲームの一種だと思ってもらえれば良いだろう。
ヘッドバンドがY字型になり、レンズ部が薄くなって軽量化されたQuest 3だが、体験会では長時間利用できるように、専用のモバイルバッテリーを後頭部付近に装着した特別なバンドを使っていたため、軽さのメリットは感じられなかったのが残念だ。
とはいえ、天井が崩れる音、背後の壁からUMAが侵入してくる音、足元の床を弾みながら移動する様子など、Quest 3本体のスピーカーが空間オーディオに対応していることや、現実世界と融合していることなどもあり、非常にリアルで、スタッフの顔近くにいるUMAを撃つときに、ためらってしまったほどだ。
また、視野角が広がったこともあり、没入感が高まり、敵を探すためにぐるぐる回転しても、VR酔いを全く起こさなかったのは、収穫の1つであろう。現実世界が見えている安心感も、高解像度で美しく精細な画像、無段階に調整できるレンズ位置のおかげというのもあるかもしれない。
Quest 2の「Beat Saber」で日頃からブロックを切りつけまくっていることもあり、「これ以上に新しい体験があるのだろうか」と疑問を抱いていたのだが、これまでにない全く新しい体験に興奮してしまった。軽く持ちやすくなった、リング部のなくなったコントローラーも持ちやすくて良いと感じた。余談だが、Quest 3のコントローラーはQuest 2とは互換性がないという。とはいえ、Quest Proとは互換性があるとのことなので、両方持っている人は試してみてほしい。
ヘッドセットの右側面をダブルタップしてMRとVRを行き来することやハンドトラッキングを体験する時間はなかったが、それは家電量販店に行って試してみたいと感じた。
なお、ほぼリアルタイムに周囲の様子をヘッドセット越しに見ることができるといっても、Quest 3は室内用だ。屋外における昼間の明るい日差し、夜の暗さには対応していない。かぶった状態での街歩きなどはできないことに留意したい。
見慣れた室内を別世界に作り変えられるQuest 3──味澤氏の言う「最先端技術」に触れたら、自分の生活に取り入れたくなる人が続出するだろうな、と感じる体験会であった。
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