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「100年後の人にあって良かったと思われるもの」を目指して 浮川社長と浮川専務のMetaMoJiが進める現場のDX:IT産業のトレンドリーダーに聞く!(3/3 ページ)

» 2023年10月23日 06時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]
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受託開発ではなく現場とキャッチボールして進める

浮川社長 それまでの現場監督は仮設の階段を10階まで上がって、そこで状況を確認し、野帳に書いたものを管理事務所に戻ってPCを使ってデータを整理し、デジカメで撮影した画像データと組み合わせて、報告書やレポートを作るといった作業が必要でした。

 現場監督は、工事作業の時間が終わった後に、事務作業のために残業を行っていたのです。eYACHOによって、iPadのカメラ機能を使って写真を撮影し、その場から手書きによって簡単に指示を出したり、データをまとめたり、レポートを作ったりすることが可能になりました。まさに「様変わりした」という表現ができるほど、現場での生産性が高まったといえます。かつては、現場での検査を行うために、多くの関係者が遠い建設現場にまで行くということもありましたが、これもeYACHOを使うことで、リモートで画像を確認することができるようになり、現場への派遣は最小限の人数で済み、大幅な効率化につながっています。

浮川専務 eYACHOの開発でこだわったのは、動作がスムーズであることです。撮影した写真の上にも手書きで必要なことをメモできるといったように、「思ったこと」「やりたいこと」を直感的に行えるようにしています。施主との会議でも音声を録音し、後から確認できますし、壁の色をこんな色にしてほしいという要望も現場の写真を見せながら、対応することができます。

 仕事がリアルタイムで迅速に完了できる点は、eYACHOの大きな特徴です。またeYACHOの開発は、言われたことだけを機能として採用するだけでなく、私たちがこんな機能も必要だろうと考え、それが現場での新たな使い方につながるというケースが多いのも特徴です。録音機能や表計算機能、カレンダー機能もあった方がいいだろうと考えて、eYACHOに搭載しました。

 もともと私たちは、企業側の要求を元にソフトウェアを開発する受託開発ではなく、多くの人たちに利用されるアプリケーションソフトを開発してきました。そういった発想から機能を追加し、それを現場の人たちが使い方を考え、そこでまた機能を強化させるというキャッチボールがeYACHOを進化させています。

―― eYACHOは今後、どう発展していきますか。

浮川専務 建設現場には数多くのデータがあります。また、eYACHOの中にも多くのデータが蓄積されています。これらのデータを元にAIを活用することで、eYACHOを進化させていきます。

 その最初の一歩となるのが、安全AIソリューションです。労働安全衛生総合研究所と共同研究を進め、企業内に蓄積された労災報告書などのデータから、高精度に安全リスクの評価ができるAIモデルを構築し、リスクを自動判定することができます。建設現場にはさまざまな職種があり、使用する建設機械なども異なります。

 データを元に、予測される災害を独自のDynamic Checklistとして生成し、現場での安全対策につなげることができます。これまでは、作業者が過去にどんな事故があったのかといったことを作業前に全て確認することは事実上不可能でした。

 これからはデータとAIを活用して作業を開始する前に、その作業にはどんなリスクがあるのかを示し、注意を喚起できるようになりますから、現場の安全性という観点からは、大きな進化につながるといえます。

 今後は品質管理や原価管理、工程管理などにもAIの活用を広げ、連接現場での業務全体をAIでナビゲーションできるようにしたいと考えています。さらに、2023年6月に完全子会社化したコトバデザインの技術を用いて開発中のTV電話機能「GEMBA Talk(仮称)」を、eYACHOに組み込みます。

 話した内容を音声認識によってデジタル化し、それを議事録にするといった機能も実現します。今は建設業界の用語を学習させているところです。また、「MetaMoJi Share」を使用しているときに、別のコミュニケーションアプリを立ち上げなくても、すぐに会議ができるようになりますし、現場で動画を撮影する場合も、用途や撮影場所に最適な解像度を選択して、それを共有可能にします。

 このように、AIなどの活用によって建設現場での利便性をさらに高めることができる機能を追加していきます。

後編に続く(後日公開)

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