小型PCメーカーでおなじみの中国MINISFORUMから、外部GPUの「Radeon RX 6600M」を搭載した「Minisforum HX77G」が登場した。筐体サイズは約205(幅)×203(奥行き)×69.3(高さ)mmで、手のひらサイズとまではいかないがゲーミングPCとして考えればかなり小型だ。
小型PCといえば、リビング用PCといったイメージが強い。外部GPUを搭載しているとはいえ、本当にゲーミング用途のPCとして使えるのかという疑問が残る。正直なところ筆者も「小型ゲーミングPCならMini-ITXで組み上げて、デスクトップPC向けの外部GPUを搭載せねば」と考える一人だ。
そこで、手元にMinisforum HX77Gの実機を用意し、デスクトップPC向けの外部GPUを搭載したゲーミングPCと全く同じベンチマークテストを行い、小型PCで快適にゲームがプレイできるのかという疑問を解き明かしてみよう。
本機種はZen3+アーキテクチャを採用したCPUコアと、RDNA 2アーキテクチャのGPUコアを搭載するモバイル向けAPUのハイエンドモデルにあたる。
Minisforum HX77GはベアボーンキットまたはメモリとSSDを組み込んだモデル展開をしており、全モデルともCPUはAMDの「Ryzen 7 7735HS」を搭載している。自作PCをたしなむ読者からすると、あまり聞き覚えが無いCPUかもしれない。それもそのはずで、Ryzen 7 7735HSはノートPC向けのCPUだ。
しかし、ノートPC向けと侮るなかれ。TDPは最大54Wで8コア16スレッドの最大クロック4.75GHzと、デスクトップ向けCPUのラインアップと遜色ないぐらいパフォーマンスの高いCPUだ。ゲーミングマシンとして特に問題無さそうな仕様となっている。
そしてMinisforum HX77Gの目玉でもある外部GPUには、7nmプロセスで製造されたNavi 23チップ(RDNA 2アーキテクチャ)のAMD Radeon RX 6600Mを搭載している。AMDは同GPUをエンスージアスト向けのモバイルグラフィックスとして位置付けており、高リフレッシュレートのフルHD解像度でゲームを楽しむために設計している。
仕様を見ると、モバイル向けながら演算ユニットが28、ストリーミングプロセッサが1792、メモリインタフェースが128bitで8GB GDDR6、最大メモリ帯域幅が最大224GB/秒、メモリクロックが1750MHz、32MBのAMD Infinity Cacheを搭載と、「本当にモバイル向けのGPUなのか……?」と目を疑うような仕様だ。
Radeon RX 6600Mのもう1つの大きな特徴として、AMDの超解像技術「AMD FidelityFX Super Resolution」(FSR)に対応していることが挙げられる。
超解像技術を簡単に説明すると、GPU本来のターゲット解像度より高い解像度でも、高いフレームレートを出せる機能だ。PC購入費用を抑えながら、より多くのゲームタイトルを高解像度で遊べる大変うれしい機能でもある。AMDはRadeon RX 6600Mのターゲット解像度をフルHDとしているが、FSRを活用することでより高解像度でも快適にゲームをプレイできるのではないかと非常に期待が高まる。
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