XREAL Air 2には無く、Proのみ搭載されるエレクトロクロミック調光について、XREAL Airでは「ライトシールド」というアクセサリーの目隠しカバーが同様の機能を担っていましたが、それが不要になります。
メガネのテンプル右側のモードボタンを押すことで、電子制御によってサングラス部分の透明度を0%、35%、100%の3段階で切り替えられます。実機を試しましたが、押すとタイムラグなくさっと変わり、0%はほぼ真っ黒だと感じました。ディスプレイを表示した形で試す時間はありませんでしたが、濃さの違いは明らかに分かりました。
XREAL Air 2は5万4980円(税込み、以下同)、XREAL Air 2 Proは6万1980円と、差額は7000円です。個人的には7000円の価値は十分あると感じました。
実は私、「Dusk」という似たような調光機能のあるサングラスを使ったことがあります。こちらはARグラスではなく「調光できるサングラス」でしたが、完全に実用レベルでした。仕組みの違いは分かりませんが、XREAL Air 2 Proも問題なく使えるものと思います。
私はARもVRも使用しています。VR/MRは「Meta Quest 3」を使い始めています。こうしたグラスやゴーグル型デバイスに期待しているのは「素晴らしい臨場感」というよりも、MR(Mixed Reality:複合現実)で「現実とデジタル映像が融合し、普段の空間を強化できること」です。
何かをする時に装着するのではなく、常に装着していて、何かの補助以上のことができるようなイメージです。ARがベースであるXREALや、VRがベースのMeta Quest 3、2023年発売予定のApple Vision Pro──いずれもMRの実現を目指しているように感じます。ハードウェアの特性はかなり異なると思いますが、PJ氏も「基本的には別物であり、特徴がかなり違う」と考えているようです。
カメラを通じた空間投影となるVR機器は、リアルな世界をカメラ越しの画像として表示するため、そこに何かモノを追加するといった使い方には有利です。しかし、まだまだ解像度や視野角の問題、手前がねじ曲がるといった事象が発生します。
ARであればそもそもリアルな世界を見ているため、そうした問題は発生しません。
そして、大きな違いと考えられるポイントは、VRはまだまだ室内専用であるということ。確かにあの大きなヘッドセットを付けて外を歩くことは考えられないですね。PJ氏は「XREALは外出先、例えば電車の中などでも使える製品です」とアピールしています。
そうした話を伺い、ARとVRは土台が違うがゆえにユースケースも異なると感じました。日常使いとして考えた場合、まず候補になるのはARベースであり、シェアの高いXREALにも期待がかかります。
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