先述の通り、今回は静音赤軸スイッチ搭載のフルサイズモデルと茶軸スイッチ搭載のテンキーレスモデルをレビューしている。実際に打ち比べをした上で、それぞれのスイッチ特性を紹介しよう。
静音赤軸スイッチは、中国TTC製のものを採用している。一般的な「赤軸(リニア)スイッチ」と同じように、キーを押し下げるほどスイッチが重くなるリニアなストローク感が特徴だ。キータッチが軽くクリック感がないことも、赤軸スイッチと同様だ。
一方で“静音”の名前が付いている通り、音の発生を抑える処理が施されている。元々、赤軸スイッチはメカニカルスイッチとしてはタイプ音が静かな方だが、その特徴がより際立っている。
「ビデオ会議や配信などに使うマイクがキーボードに近くにある」「静粛なオフィスで、どうしてもメカニカルキーボードを使いたい」という人は、静音赤軸スイッチモデルを選ぶとよいだろう。
茶軸スイッチは、中国Kaihua Electronics製の「Long Huaスイッチ」を採用している。茶軸(タクタイル)スイッチは、スイッチの“入力感”を得られることが特徴だ。「メカニカルキーボード」と聞くと、この茶軸スイッチを思い浮かべる人も少なくないだろう。
音の面では「カチカチ」という入力音がするため、静粛さが求められる環境で使うのは難しい。一方で、メカニカルキーボードに「タイプしている実感」を求める人は、茶軸スイッチモデルがオススメだ。
Leggeroシリーズは、今回試した静音赤軸モデルや茶軸モデルの他、通常の赤軸スイッチを搭載するモデルも用意されている。アクチュエーションポイント(押し下げ検知点)は、赤軸/静音赤軸モデルが約1.9mm、茶軸モデルが約2mmに設定されている。一般的なキータイプを考えれば、いずれも妥当なセッティングだ。
ただ、ゲームを楽しむという観点では、アクチュエーションポイントがより浅いリニアスイッチである「銀軸スイッチ」や、アクチュエーションポイントを可変設定できる「磁気式スイッチ」と比べると反応速度の面で不利ではある。しかし、このキーボードはそういった“ガチ勢”向けではなく、一般的なキーボードよりも上質なキータイプを望む人向けと思われる。
Leggeroシリーズは、2万円以上の高価格帯のキーボードと比べても、打ち心地に大きな差はない。メカニカルキーボードの良さを体感するには、とても手頃な価格設定ともいえる。「メカニカル入門機」としては最適だ。
現在1万円を切る低価格帯のキーボードを使用している人が「もっと打ちやすいキーボード」へのステップアップとして選ぶには、十分に妥当な選択肢といえるだろう。
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