Yoga Book 9i Gen 8は、グローバルでは「CES 2023」に合わせて1月に発表された。一部の市場では7月に発売されたが、日本では「部材調達の都合で、安定供給に万全を期するため」(関係者)に発表から約11カ月遅れで登場することになった。現時点では1モデルのみ展開される。
本機の最大の特徴は、マザーボードやポート類を備える基部(ベース)にもディスプレイを搭載していることにある。ディスプレイは2枚共に同一スペックで、2880×1800ピクセルで、最大10点のマルチタッチとペン入力に対応する約13.3型有機ELパネルを採用している。HDR(ハイダイナミックレンジ)表示も可能で、DisplayHDR True Black 500認証も取得しており、Dolby Visionにも対応する。
内部的に、基部側のディスプレイは「セカンダリー」扱いで、Webカメラを備える方が「プライマリー」となる。
基部側のディスプレイを両手の8本指でダブルタップすると、タッチパッド付きのバーチャルキーボードが出現する。配列は標準だと「日本語」で、レノボのコンシューマー向けノートPC(IdeaPad/Yoga/Legion)とおおむね同じ並びとなっている。
パームレストに相当する部分の左側にある矢印アイコンをタップすると、タッチパッドの大きさを変更できる。また、右側にあるペンのアイコンをタップすると、メモパッドが出現する。このメモパッドは付属する「Lenovo Digital Pen」で書き込み可能で、手書きメモを急きょ取らなければならなくなった際に使える。
このキーボードを両手の8本指で下方向にスワイプすると、バーチャルタッチパッドが“消えて”、キーボードを下方に寄せられる。空いたスペースにはウィジェットが表示される。
「タッチパッドだけ使いたい」という場合は、基部側のディスプレイを3本指でダブルタップするとバーチャルタッチパッドが出現する。バーチャルタッチパッドは、大きさや位置を自由に設定可能だ。
本機には「Bluetoothキーボード」と「フォリオスタンド」が付属する。
Bluetoothキーボードは、その名の通りBluetoothで本機と接続するもので、キーボードに内蔵されたバッテリーで駆動する。充電は右側にあるUSB Type-C端子で行える。配列は「日本語」で、レノボのコンシューマー向けノートPCと同様のキーアサインだ。
このキーボードはフォリオスタンドはもちろん、本体の基部にくっつけて使うこともできる。基部にくっつけた場合は、バーチャルキーボードと同様のバーチャルタッチパッドまたはウィジェットが自動表示される。
フォリオスタンドはBluetoothキーボードの収納カバーを兼ねており、付属のLenovo Digital Penのホルダーも備えている。このスタンドは折り紙をモチーフにして作られており、そこそこ重量のある本体を“立てた”状態で支持できるように工夫されている。
CPUはCore i7-1355U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)で、Intel Evoプラットフォームにも準拠する。メインメモリは16GB(LPDDR5X規格:増設/換装不可)で、ストレージはPCI Express 4.0接続の1TB SSDを備える。OSはWindows 11 Homeをプリインストールする。
メインディスプレイの上部には、約500万画素のWebカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証を利用可能だ。モジュールへの電源供給を遮断することでカメラを無効化する「電子式カメラシャッター」も備えている。
スピーカーは、Yogaシリーズの2in1モデルではおなじみの「ヒンジスピーカー」で、Bowers & Wilkinsの監修を受けたものを4基搭載している(ツイーター2基+ウーハー2基)。
ポート類は、Thunderbolt 4(USB4)端子を本体左側面に1基、右側面に2基備えている。いずれもUSB PD規格の電源入力と、DisplayPort Alternate Mode規格の映像出力を兼ねている。USB Standard-A接続の機器や、3.5mmプラグのイヤフォン(イヤフォンマイク)を使う場合は変換アダプター類を別途用意する必要がある。
ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.1に対応する。
バッテリーの公称最長駆動時間は、動画再生時で約6.8時間、アイドル時で約9.6時間となる(JEITA バッテリ動作時間測定法 Ver. 3.0に基づく計測値)。本体サイズは約299.1(幅)×203.9(奥行き)×15.95(厚さ)mmで、重量は約1.34kgとなる。
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