ついに日本上陸! レノボ・ジャパンの小型ゲームPC「Legion Go」とスリムな2画面PC「Yoga Book 9i Gen 8」の実機を触って分かったこと(2/2 ページ)

» 2023年12月07日 20時20分 公開
[井上翔ITmedia]
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基部にも有機ELディスプレイを配した「Yoga Book 9i Gen 8」

 Yoga Book 9i Gen 8は、グローバルでは「CES 2023」に合わせて1月に発表された。一部の市場では7月に発売されたが、日本では「部材調達の都合で、安定供給に万全を期するため」(関係者)に発表から約11カ月遅れで登場することになった。現時点では1モデルのみ展開される。

Yoga Book 9i Gen 8 グローバル発表から約11カ月、一部市場での発売から約4カ月経過してから日本に上陸したYoga Book 9i Gen 8

 本機の最大の特徴は、マザーボードやポート類を備える基部(ベース)にもディスプレイを搭載していることにある。ディスプレイは2枚共に同一スペックで、2880×1800ピクセルで、最大10点のマルチタッチとペン入力に対応する約13.3型有機ELパネルを採用している。HDR(ハイダイナミックレンジ)表示も可能で、DisplayHDR True Black 500認証も取得しており、Dolby Visionにも対応する。

 内部的に、基部側のディスプレイは「セカンダリー」扱いで、Webカメラを備える方が「プライマリー」となる。

セカンダリー 基部側のディスプレイは、内部的に「セカンダリー」扱いとなる。スペックは2枚共に同一だ

 基部側のディスプレイを両手の8本指でダブルタップすると、タッチパッド付きのバーチャルキーボードが出現する。配列は標準だと「日本語」で、レノボのコンシューマー向けノートPC(IdeaPad/Yoga/Legion)とおおむね同じ並びとなっている。

 パームレストに相当する部分の左側にある矢印アイコンをタップすると、タッチパッドの大きさを変更できる。また、右側にあるペンのアイコンをタップすると、メモパッドが出現する。このメモパッドは付属する「Lenovo Digital Pen」で書き込み可能で、手書きメモを急きょ取らなければならなくなった際に使える。

 このキーボードを両手の8本指で下方向にスワイプすると、バーチャルタッチパッドが“消えて”、キーボードを下方に寄せられる。空いたスペースにはウィジェットが表示される。

 「タッチパッドだけ使いたい」という場合は、基部側のディスプレイを3本指でダブルタップするとバーチャルタッチパッドが出現する。バーチャルタッチパッドは、大きさや位置を自由に設定可能だ。

バーチャルキーボードを出す.基部側のディスプレイを8本の指でダブルタップすると、タッチパッド付きのバーチャルキーボードが出現する。配列は日本語で、レノボのコンシューマー向けノートPCのキーボードと同じ並びとなっている
ペン入力 バーチャルキーボードのパームレストの右側にあるペンアイコンをタップすると、メモパッドが出現する。サッとメモを取りたい時に便利だ(写真はキーボードを載せた状態だが、バーチャルキーボードでも同様に使える)
キーボードを下方に バーチャルキーボードを8本指で下方にスワイプすると、キーボードが下方に降りる。空いたスペースにはウィジェットが表示される

 本機には「Bluetoothキーボード」と「フォリオスタンド」が付属する。

 Bluetoothキーボードは、その名の通りBluetoothで本機と接続するもので、キーボードに内蔵されたバッテリーで駆動する。充電は右側にあるUSB Type-C端子で行える。配列は「日本語」で、レノボのコンシューマー向けノートPCと同様のキーアサインだ。

 このキーボードはフォリオスタンドはもちろん、本体の基部にくっつけて使うこともできる。基部にくっつけた場合は、バーチャルキーボードと同様のバーチャルタッチパッドまたはウィジェットが自動表示される。

Bluetoothキーボード 付属のBluetoothキーボードは日本語配列で、レノボのコンシューマー向けノートPCと同じキーアサインを採用している。他の言語のキーボードと共通の金型で作られているようで、一部キーの造形に違和感を覚える人もいるかもしれない
裏面 キーボードの裏面には滑り止めのラバーが貼られているが、チルト機構はない
側面 充電端子と電源スイッチ(ペアリングスイッチ兼用)は右側面にある
基部に載せる 本体の基部にBluetoothキーボードを載せると、位置に応じてバーチャルタッチパッドまたはウィジェットが表示される

 フォリオスタンドはBluetoothキーボードの収納カバーを兼ねており、付属のLenovo Digital Penのホルダーも備えている。このスタンドは折り紙をモチーフにして作られており、そこそこ重量のある本体を“立てた”状態で支持できるように工夫されている。

フォリオスタンド フォリオスタンドはBluetoothキーボードのケースを兼ねており、Lenovo Digital Penのホルダーも備えている
折り紙 このスタンドは折り紙をモチーフにしたといい、複数の角度で本体を支持できるようになっている
立ててみる 写真のように基部を下にしてスタンドに“立てた”状態でも、しっかりと支持できる。なお、Bluetoothキーボードはスタンドの基部に磁石で固定可能だ

 CPUはCore i7-1355U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)で、Intel Evoプラットフォームにも準拠する。メインメモリは16GB(LPDDR5X規格:増設/換装不可)で、ストレージはPCI Express 4.0接続の1TB SSDを備える。OSはWindows 11 Homeをプリインストールする。

 メインディスプレイの上部には、約500万画素のWebカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証を利用可能だ。モジュールへの電源供給を遮断することでカメラを無効化する「電子式カメラシャッター」も備えている。

 スピーカーは、Yogaシリーズの2in1モデルではおなじみの「ヒンジスピーカー」で、Bowers & Wilkinsの監修を受けたものを4基搭載している(ツイーター2基+ウーハー2基)。

カメラ Webカメラは約500万画素で、顔認証も利用できる。物理的なカメラシャッターはないものの、電源遮断によりカメラを無効化する「電子式カメラシャッター」を備えている
スピーカー Yogaシリーズの2in1モデルではおなじみのヒンジスピーカーも備える

 ポート類は、Thunderbolt 4(USB4)端子を本体左側面に1基、右側面に2基備えている。いずれもUSB PD規格の電源入力と、DisplayPort Alternate Mode規格の映像出力を兼ねている。USB Standard-A接続の機器や、3.5mmプラグのイヤフォン(イヤフォンマイク)を使う場合は変換アダプター類を別途用意する必要がある。

 ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.1に対応する。

左側面 左側面には電源LEDとnovoボタン(リカバリーモードの起動ボタン)も用意される
右側面 右側面にはThunderbolt 4端子に加えて、電源スイッチとカメラスイッチも備わる
天板 ボディーカラーは「タイダルティール」のみとなる

 バッテリーの公称最長駆動時間は、動画再生時で約6.8時間、アイドル時で約9.6時間となる(JEITA バッテリ動作時間測定法 Ver. 3.0に基づく計測値)。本体サイズは約299.1(幅)×203.9(奥行き)×15.95(厚さ)mmで、重量は約1.34kgとなる。

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