これは一部の方に限られるかもしれないが、自宅でサーバを運用している「自宅サーバ勢」という界隈(かいわい)が存在している。かくいう筆者もその内の1人で、自身の知識の向上や技術的な検証をするために数台のPCをサーバ機として運用している。
一人暮らしであれば、そこまで気にする必要もないのだが、結婚して家族が居るとなかなか理解されず、「複数台PCが必要なのか」「邪魔だ」などと散々な目に遭いがちだ。
小型PCであればそこまでスペースも取らないし、消費電力もデスクトップPCやラックマウントサーバと比べると非常に小さい。しかし、大抵の場合、LANは1つしか搭載していないことがほとんど。最低でも2口は欲しいところだが、UM780 XTXは何と2.5GbE対応のLAN端子が2基搭載されている。
搭載されているNICはIntel製ではなく、RealTek製のRTL8125ではあるものの、VMwareのESXi 6.x/7.x向けのコミュニティー製ドライバが用意されているので、少し導入は面倒くさいものの動作させることは可能だ。もちろん、Proxmox VEでも問題なく動作するため、自宅サーバ用としてはかなり重宝する仕様だ。
さらにありがたいことに、SO-DIMMスロットが2つ搭載されており、最大で96GBまでサポートされていて、かつM.2 2280 PCIe 4.0 SSDが2枚搭載できる。パフォーマンスについても特に問題ない。
自宅サーバ観点で書いてみたが、最近流行のLLM(大規模言語モデル)用小型マシンにも持ってこいだと筆者は考える。当初、LLMはGPUありきで進んでいたが、最近ではCPUで動く超軽量モデルがリリースされているので、入門当初はCPUのみで利用してある程度知見がたまってきて、より高度なことを手元で実行したい場合は、OCuLinkを使って外付けGPUを導入するなんて事もできる。
搭載されているAPUはZen 4世代の8コア16スレッドのノートPC向けのハイエンドモデルを搭載しており、内蔵グラフィックスも軽いゲームであれば快適にプレイできる上で、メモリは最大96GBまで搭載でき、しかもM.2 SSDを2基搭載可能だ。
さらにはOCuLinkを使って、外付けGPUを接続しさらにグラフィックスパフォーマンスを向上できるといったように、約182(幅)×159(奥行き)×120(厚さ)mmの本体サイズからは考えられないほど幅広い拡張性を持つ。
それでいて、2.5G LANを2つ搭載しているので、幅広い拡張性と幅広いニーズに応えられるという一般利用にも、“逸般”利用にももってこいな1台が定価で9万5980円から購入できるのはなかなか強烈といえるだろう。
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