「AI PC」がベールを脱ぐ! 次世代のモバイル向け「Core Ultraプロセッサ」正式発表 搭載ノートPCは順次発売(2/2 ページ)

» 2023年12月15日 00時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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Intel認定の「Evoプラットフォーム」は「Evo Editionプラットフォーム」に

 Intelが一定の条件を満たしたノートPCに認証を与える「Project Athena」は、Core Ultraプロセッサでも引き続き行われる。本プロジェクトの認証は第11〜第13世代Coreプロセッサでは「Intel Evoプラットフォーム」と呼ばれていたが、Core Ultraプロセッサでは「Intel Evo Editionプラットフォーム」と呼ぶことになった。

Edition Intel Evoプラットフォームは「Intel Evo Editionプラットフォーム」に変更される。認定モデルにはこのロゴが貼付される

 公開されている主な認定基準は以下の通りだ。

  • 迅速なアクション
    • スリープ復帰操作から画面ロック解除まで1.5秒以内で行えること
    • 生体認証(指紋/顔)または近接デバイス認証に対応すること
  • パフォーマンスと応答性
    • バッテリー駆動時に、15のタスクで一貫した(迅速な)応答を行えること
    • より涼しく静かで、応答性が良いこと(新規テストで評価)
    • 少なくとも8GB以上かつデュアルチャンネルのメモリを搭載すること
    • 少なくとも256GB以上のPCI Express 4.0接続のSSDを搭載すること
  • 現実世界におけるバッテリー駆動時間
    • 少なくとも10時間以上のバッテリー駆動時間を確保すること(フルHDディスプレイ)
    • 4時間以上駆動できるだけのバッテリー充電を30分以内に行えること(フルHDディスプレイ)
  • 高速な接続性
    • Wi-Fi 6Eを160MHz幅で利用できること
    • Intel Connectivity Performance Suite 3.0に対応すること(※3)
    • Thunderbolt 4に対応すること
  • 革新的かつ魅力的なフォームファクター
    • 12〜16型台のディスプレイを搭載すること(解像度はフルHD以上)
    • 本体の厚さを15mm未満(独立GPUモデルは20mm未満)にすること
    • Webカメラ(イン側)はフルHD/30fps以上の撮影に対応すること
  • その他
    • Intel Unisonに対応すること
    • 機種の環境評価において以下のいずれかを取得すること

(※3)Chromebook(Chrome OSデバイス)を除く

Evo Edition Evo Editionの主な認定基準

Core Ultraプロセッサのラインアップ

 Core Ultraプロセッサは、ハイエンドモデル向けの「Hシリーズ」とメインストリームの「Uシリーズ」の2本立てとなる。第12/13世代で両者の間を埋めていた「Pシリーズ」は用意されない。

 なお、★印が付いているモデルは出荷開始が2024年第1四半期となる予定だ。

ラインアップ Core Ultraプロセッサのラインアップ

Hシリーズ

 Hシリーズは「BGA Type3」(約50×25×1.3mm)で提供される。標準消費電力(PBP)は28Wで、最大消費電力(MTP)は64Wまたは115Wとなる(Core Ultra 9 185HのみPBPが45W、MTPが115W)。

  • Core Ultra 9 185H
    • Pコア:6基12スレッド(最大5.1GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
    • GPU:8コア(最大2.35GHz)
    • L3キャッシュ:24MB
  • Core Ultra 7 165H
    • Pコア:6基12スレッド(最大5GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
    • GPU:8コア(最大2.3GHz)
    • L3キャッシュ:24MB
  • Core Ultra 7 155H
    • Pコア:6基12スレッド(最大4.8GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
    • GPU:8コア(最大2.25GHz)
    • L3キャッシュ:24MB
  • Core Ultra 5 135H
    • Pコア:4基8スレッド(最大4.6GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
    • GPU:7コア(最大2.2GHz)
    • L3キャッシュ:18MB
  • Core Ultra 5 125H
    • Pコア:4基8スレッド(最大4.5GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
    • GPU:7コア(最大2.2GHz)
    • L3キャッシュ:18MB

Uシリーズ

 UシリーズはBGA Type3の他、よりコンパクトな「BGA Type4 HDI」(約28.5×19×1.1mm)でも提供される。BGA Type4 HDIパッケージのモデルは、実装面積が小さくなる代わりにDDR5メモリのサポートなど、一部機能が省略される。

 PBPはBGA Type3モデルが15W、BGA Type4 HDIモデルが9Wとなる。PBPはBGA Type3モデルが57W、BGA Type4 HDIモデルが30Wだ。

BGA Type3パッケージ

  • Core Ultra 7 165U
    • Pコア:2基4スレッド(最大4.9GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
    • GPU:4コア(最大2GHz)
    • L3キャッシュ:12MB
  • Core Ultra 7 155U
    • Pコア:2基4スレッド(最大4.8GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
    • GPU:4コア(最大1.95GHz)
    • L3キャッシュ:12MB
  • Core Ultra 5 135U
    • Pコア:2基4スレッド(最大4.4GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
    • GPU:4コア(最大1.9GHz)
    • L3キャッシュ:12MB
  • Core Ultra 5 125U
    • Pコア:2基4スレッド(最大4.3GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
    • GPU:4コア(最大1.85GHz)
    • L3キャッシュ:12MB

【BGA Type4 HDIパッケージ】

  • Core Ultra 7 164U
    • Pコア:2基4スレッド(最大4.8GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.8GHz)
    • GPU:4コア(最大1.8GHz)
    • L3キャッシュ:12MB
  • Core Ultra 7 164U
    • Pコア:2基4スレッド(最大4.4GHz)
    • Eコア:8基8スレッド(最大3.6GHz)
    • GPU:4コア(最大1.85GHz)
    • L3キャッシュ:12MB
パッケージ Core UltraプロセッサのパッケージはBGA Type3(左)とBGA Type4 HDI(右)の2種類が用意される。BGA Type4 HDIは、Uシリーズの低消費電力モデルで採用されている
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