先日、Intelは第11世代CoreプロセッサとともにIntel Evo Platformを発表した。これはかねて「Project Athena」と呼ばれ推進されてきたプロジェクトの一貫として展開するプログラムで、ブランドロゴにより「ユーザーがベストな体験をできる」ことを示すものということだ。かつて、同社が展開してきた「Centrino」や「Ultrabook」の2020〜2021年版といえるものだ。
このIntel Evo Platformブランド展開の経緯や狙いについて、Project Athenaのプロジェクトリーダーとして主導してきたジョシュ・ニューマン(Josh Newman)氏にオンラインで話を聞く機会を得た。その模様をお伝えしよう。
――Intel Evo Platformのブランド化に至った経緯や狙いを教えてください。
ニューマン氏:Project Athenaは、業界全体のイノベーションや革新をもたらすための数年規模で続くプロジェクトです。パートナー企業との共同開発や実証実験などにより、最高のノートPC体験を提供することを目的として、これまでもこれからも続いていきます。Project Athenaという名称は、業界内でのプロジェクトネームで、マーケティングのトレードマークとして使っているものではありません。
Intel Evo Platformは、Project Athenaの活動によって、これまでにない素晴らしいノートPC体験ができることを伝えるため、素晴らしい体験ができるノートPC製品であることを分かりやすく示すべく展開するプログラムです。
――Intel Evo Platformロゴを取得している製品数を教えてください。
ニューマン氏:第11世代Coreプロセッサの発表後、現時点で50種類の搭載製品が発表されています。このうち約20機種は、Intel Evo Platformのロゴを取得しています。Intel Evo Platformのロゴを取得するには、Intel Iris Xeグラフィックスを搭載した第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)を採用した製品であることを含め、Intel Evo Platformのシステム要件を満たす必要があります。
それは、従来のアプリケーションを高速かつ高レスポンスで使えることに加えて、これからより重要になってくるAI推論も高速に行えることを示します。また、いつでもどこでも快適に仕事や研究に利用することができ、仕事や思考を妨げない快適な体験ができるラップトップデバイスであることを示します。
――従来のIntel Evo Platformのロゴに相当する「Engineered for Mobile Performance」ロゴはもう使われなくなるという理解でよろしいでしょうか?
ニューマン氏:従来の「Engineered for Mobile Performance」のロゴは、第10世代Coreプロセッサを搭載したProject Athenaにおける最初の世代の技術で開発された製品を示すものでした。ですが、厳密にいうと、従来のEngineered for Mobile PerformanceとIntel Evo Platformは同等のものではありません。
前者は、業界内でのマーケティング、セールスに利用するもので、製品にロゴシールを貼って消費者に広くアピールするという意図はありませんでした。
――Intel Evo Platformブランドの要件として下記が挙げられています。
Project Athenaから項目が増え、より要件が具体的になりました。その意図を教えてください。特に「Wi-Fi 6(Gig+)とThunderbolt 4の実装」を加えた理由を教えてください。
ニューマン氏:Project Athenaを推進するにあたっては、実際にノートPCを使う人がどのような行動をとるのか、真に快適なラップトップデバイスはどのようなものかということについて、研究を重ねた結果です。
どこでも安心して仕事ができることが重要だと考え、最新のイノベーションを反映させ、このようなKEI(Key Experience Indicators)をフィーチャーしています。Thunderbolt 4については、ケーブル1本で、データ転送、ディスプレイ出力などさまざまなデバイスを接続でき、多用途に対応できるベネフィットを評価しています。また、Wi-Fi 6については、ビジネスでも動画コンテンツを扱うことが増えてきたことを鑑み、接続の安定性、高速な転送ができるための要素として取り入れました。
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