スマートデバイスの接続がより簡単になるという触れ込みで登場した、共通規格「Matter」。2023年度中には対応デバイスが多数登場すると言われていたが、これまでのところ、日本国内では、スマートリモコン2製品がMatter対応を果たしたくらいで、当初言われていたよりも動きはかなり遅い。もっとも海外では対応製品が多数登場しており、日本上陸を待つばかりという状況だ。
そんな中、国内でいち早く登場したのが、今回紹介するTP-Linkのスマートプラグ「Tapo P110MA」だ。機能自体は電力使用量のチェック機能を備えた一般的なスマートプラグだが、Matter対応によってセットアップはどの程度簡単になったのだろうか、実機を購入して試してみた。
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このTapo P110MAは、電力使用量をチェックできる機能を搭載している他は、ごく一般的なスマートプラグだ。本体にはコンセント口が1つあり、そこに接続した家電を、スマホからオン/オフできる。国内向けモデルはプラグが日本向けの2Pになっており、一般家庭のコンセントに差し込んでの利用が可能だ。
そもそも、スマートプラグがMatterに対応していれば、どのような利点があるのか。1つはセットアップが簡単になることだ。これは、Matter対応デバイスはセットアップ手順が共通化されていることによるもので、どの製品も共通のセットアップ手順なので、慣れることによって簡単にこなせるようになる。
もう1つは、iPhone純正の「ホーム」アプリからの操作が可能になることだ。現在市販されているスマートプラグの多くはGoogle HomeおよびAlexaからの操作には対応するが、iPhone純正の「ホーム」アプリから使えるのは、HomeKitに対応した一部製品のみになる。Matter対応により、「ホーム」アプリで使えるようになるのは、直接的な利点として響くユーザーも多いはずだ。
では、早速セットアップを試してみよう。本製品はメーカー提供のアプリ「Tapo」も用意されているが、今回がそれがスマホにインストールされていない状態で、「ホーム」アプリだけを使って、利用できるようにしてみよう。
まずは本製品をコンセントに差し込み、本体電源をオンにする。次いで「ホーム」アプリから新しいデバイスを選択し、付属のQRコードを読み込む。何らかの事情でうまく読み込めなければ、手動で11桁のコードを入力すればよい。
コードを入力すると、近隣にあるMatter対応デバイス、今回の例だと本製品の検索が実行される。無事認識されれば、後は指示される手順に従って、デバイスの設置場所、名称などを選択していく。このあたりは一般的なスマートプラグの設定手順と同じだ。
完了すれば本製品のアイコンが、Appleの「ホーム」アプリのホーム画面に表示され、ワンタップするだけで、オン/オフが可能になる。手順は実に簡単で、Matterの面目躍如といったところだ。
続いて、改めてMatter製品のメリット/デメリットを確かめてみたい。
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