プロセッサについては上位モデルにRyzen 7 PRO 7730U、下位モデルはRyzen 5 PRO 7530Uを搭載する。
Ryzen 7 PRO 7730Uは、Zen 3アーキテクチャで8コア16スレッド、最大4.50GHzとパワフルな仕様だ。先代のCPUはZen 2アーキテクチャで6コア12スレッドのRyzen 5 5500Uだったので、性能が大きく強化されている。
16GBのメモリ(LPDDR4-4266)はオンボード搭載で、換装や増設には対応していない。一方のストレージはPCI ExpressインタフェースのSSD(暗号化機能付き)を採用し、容量は256GB/512GB/1TBから選択できる。評価機ではSamsungの「PM9B1(256GBモデル)」を搭載していた(PCI Express 3.0 x4接続)。
ディスプレイは13.3型のIPS液晶で、画面解像度は1920×1080ピクセルと標準的だ。パネル表面は外光や照明が映り込みにくいノングレア仕様となっている。
評価機で計測したところでは、最大輝度が439ニトと明るく、色域はインターネットコンテンツの標準であるsRGBを約100%カバーする広さがあり、標準の色温度もsRGBの6500Kに近い素直な色味で、品質は申し分ない。
キーボードの品質も良好だ。ボディーの横幅いっぱいを使って配置しているため、キーピッチは約19mmとフルサイズを確保している。先代機からカーソル(矢印)キーのサイズが大きくなり、操作しやすくもなっている。
キーキャップにはくぼみがあって指を置きやすい。約1.5mmと深めのキーストロークがあり、キーボード下には補強ゴムを実装することでたわみを抑制している。実際のタイプ感で、キーボードユニットのたわみはほとんど感じなかった。
さらに、キーボード、タッチパッドともにスイッチはカチカチというクリック音を抑制する静音仕様となっている他、キーキャップの沈み込みの高さを調整することでキャップが外れにくいようにしたり、印字のはがれにくい耐摩耗塗料を利用したりするなど、細かい部分までこだわって作られている。
通信機能は、1000BASE-T対応の有線LANとWi-Fi 6対応の無線LAN、Bluetooth 5.3を標準で装備する。有線LANのコネクターは、薄型のボディーに収めるため、折りたたみ式になっている。
外出先でも無線LAN環境が整備されているとは限らないため、ビジネス向けでは有線LANは必要とされることが多い。これだけ薄型でも有線LANをアダプターなしで利用できるのは強みの1つだろう。
USBは、Type-Aが2基、Type-Cを1基装備し、いずれもUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)対応だ。USB Type-CはUSB PD(Power Delivery)、ディスプレイ出力(DisplayPort Alternate Mode)もサポートしており、充電端子も兼ねている。この他では、最近のPCでは省かれがちなフルサイズのSDメモリーカードスロット(UHS-II対応)も装備する。
ポート類の耐久性にこだわっているのも見逃せない。有線LANコネクターはマザーボードとは別の基板に分けて実装することで、ケーブルを抜き差ししたときのマザーボードへの負荷を減らしている他、開閉試験やコネクター挿抜試験もクリアするなど、コネクター自体の耐久性も確保されている。
USBポートについては、ボトムカバーの形状を最適化して固定している。充電端子を兼ねるUSB Type-C端子を金属プレートで補強し、こちらもケーブルを抜き差ししたときのマザーボードへの負担を最小限に抑えている。盗難防止ワイヤーを取り付けるためのセキュリティロック・スロットの部品も頑丈なステンレススチールを採用し、5方向への引っ張り試験も実施している。
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