Chromebookで使われているChromeOSは、WindowsやmacOSとも違う。基本的には使いやすいのだが、独特の“流儀”に困ることもあった。
その1つがGoogleアカウントを使ったログインだ。これは一見すると何ともないように思えるのだが、WindowsやmacOSとは異なり「Googleアカウントを使わない」という選択肢が事実上ない。Googleアカウントを使わない場合は、利用できる機能に制限のある「ゲストモード」で使うしかない。
先述の通り、Chromebookは良くも悪くもGoogleのサービスに最適化されている。ある意味で、このことは「悪くも」に相当するのだろう。
なお、Windowsも「Windows 11」のバージョン22H2以降は、ProエディションでもMicrosoftアカウントの利用が必須化された(参考記事)。ただし、こちらは詳細を省くが、Microsoftアカウントを使わない(≒ローカルアカウントを作成する)方法は残されている。
「ログインの簡素化」という観点では、代替措置として「PIN(暗証番号)の設定」あるいは「Smart Lock」という方法もある。
PINの設定は6桁以上12桁以下で行う必要がある。4桁のPINに慣れている人からすると戸惑う部分があるかもしれないが「利便性とセキュリティー」のバランスを考えると致し方ないところもある。個人的には常に6桁(以上)のPINを暗記する自信はないのだが……。
Smart Lockは近くにAndroidスマホがあるとログイン(ロック解除)操作を省略できるという機能だ。利用するには、以下の条件を“全て”満たす必要がある。
本機能が有効の場合、スマホの画面ロックが解除されていれば、Chromebook側のログイン操作を省略できる。Androidスマホを使っている人は試してもいいだろう。
スマホのように顔や指紋で認証し、ログインできれば理想なのだが、残念ながら本機には生体認証機能がない。中〜高価格帯のChromebookには指紋センサーが付いているモデルもあるので、指紋認証を使いたい場合は、その有無をよく確かめるようにしたい。
本機固有の悩み所としては、本体の厚みと重量もある。
本体寸法は約289.6(幅)×202.4(奥行き)×19.9(厚さ)mmと、重量は約1.33kgと、11.6型という画面サイズの割に厚く、本体が重たい。このモデルは文教市場(教育機関)への導入も想定されており、低価格と頑丈さ(※2)の両立を求めた結果、こうなったのだろうと思う。
もっとも、あくまでも“サイズの割に”という所であって、本体を持ち運ぶこと自体はそれほど苦にはならない。「薄さと軽さ」を重視したいなら、もう少し高価格帯のChromebookを買えばいいだけの話だ。
あとは、画面の解像度が1366×768ピクセルなのも気になる。フルHD(1920×1080ピクセル)解像度の動画を視聴する際に「もうちょっと解像度が欲しいなぁ……」と思ってしまうこともある。
後継モデルは画面が14型と大型化しただけでなく、解像度もフルHDとなったので、動画をより楽しみたい場合は後継モデルの購入を検討してもいいだろう。
まもなく発売から2年を迎えるLenovo 300e Chromebook Gen 3だが、スペックの割に快適に使えるというChromeOSの特徴も相まって、全体的な満足度は当初の想像よりも高い。
小学生低学年の子どもがいる家庭なら、自宅での自学/自習用に1台あってもいいだろう。LTE通信機能付きというメリットを生かせるなら、大人でもWebサーフィンをするための端末、あるいは文章作成用マシンといった形で利活用するのもアリだと思う。
eSIMには対応しないが、モバイル通信に対応した本機なら、学校から帰る時などWi-Fi環境下でなくてもオンラインのまま作業を続けられることや、ファイルもクラウドで同期できる利点は大きいと感じる。
1月15日現在における本機の直営店価格は4万5360円となる。これは、現時点でもモバイル通信対応Chromebookとしては手頃な部類に入る。Chromebookが気になっている人は、予算と相談しつつ購入の検討をしてもいいのではないだろうか。
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