ベンチマークテストの結果を確認しよう。Windowsの電源設定として「おすすめ」「高パフォーマンス」「最適なパフォーマンス」の3種類が用意されていたので、一部テストでは3種類とも実行した。特に記載がない場合は「おすすめ」で実行している。
設定別に見ると、スコアが良いのは「最適なパフォーマンス」「高パフォーマンス」「おすすめ」の順だ。「おすすめ」設定だとCPUのブーストをかなり制限するようで、スペックからするとかなり物足りないスコアだった。
しかし「最適なパフォーマンス」ではかなり改善される。「おすすめ」設定でも3DMarkやPremiere ProのエンコードテストなどGPUの比重が大きいテストでは、旧世代PCに対してしっかりアドバンテージを見せており、クリエイティブの道具として十分なパフォーマンスがあることは示している。
なお、どの設定でもピークの動作音は大きくは変わらないが、性能が良い設定の方が負荷に敏感でファンの回転が早い段階で上がってくるため、体感的な差は数字以上に大きい印象だ。
発熱については、全体的にはそれほど高温になるわけではないのだが、排気口が左右側面の手前側にあるので、設定にかかわらず負荷をかけるとパームレストが熱くなりボディーの左右から熱風が出てくる。今の季節ならさほど気にならないだろうが、夏場は外付けのキーボードを利用したり、ノートPCクーラーなどを導入したりする必要性が出てきそうだ。
日本マイクロソフトの個人向け直販サイトにおけるSurface Laptop Studio 2の価格は、33万4180円(税込、以下同)からとなっている。ただ、これはNVIDIA GPUを搭載しないエントリー構成で、GeForce RTX 4050 Laptop GPUを搭載するモデルでは39万5780円が最安だ。GeForce RTX 4060 Laptop GPUを搭載する評価機と同等構成のモデルは53万6580円となる。
ちなみに、2022年発売の初代「Surface Laptop Studio」は、内蔵GPUモデルが20万9880円、メモリ32GB、SSD 1TBのGeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU搭載モデルが34万1880円だった。2代目となる本製品は、スペックの強化でより広い層のクリエイターに訴求できるパフォーマンスを手に入れたが、円安や輸送燃料費高騰などの影響もあり、価格も大幅に上昇してしまっている。
もっとも、もとよりコストパフォーマンスで選ぶ製品ではない。本製品の魅力は、メタルボディーのデザインと質感、ペンも使いやすいマルチなスタイルで使えるギミックなど、独自の付加価値にある。クリエイティブの道具としての魅力も確実に上がっているので、これらの付加価値に魅力を感じるなら検討する価値は十分にあるだろう。
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