GPD G1を利用するには、USB4端子またはOCuLink端子を備えるPCが必要だ。USB4端子で接続する場合は、当該端子がPCI Expressの信号伝送に対応していなければならない。
「USB4(Version 1.0)の全機能への対応」が必須であるThunderbolt 4規格の端子は、PCI Expressの信号伝送に対応している。そのため、理論上はGPD G1を問題なくつなげる。USB4規格のベースとなったThunderbolt 3規格の端子も同様だ。
問題は、単なる「USB4端子」を備えるPCである。実は、USB4において「PCI Expressバスの信号伝送」はオプションとなっている(参考記事)。GPD G1を含むGPUボックスをThunderbolt 4“ではない”USB4端子を備えるPCで使う場合は、事前にUSB4端子がPCI Expresss信号の伝送に対応しているのかどうかを確認したい。
今回、筆者はThunderbolt 4端子を備える以下のノートPCでGPD G1を正常に使えることを確認した。
なお、Thunderbolt 3/4対応のノートPCでも、設計の都合でうまく動作しないことも考えられる。また、接続管理を「Intel Thunderboltコントロールセンター」アプリで行うPCの場合、設定によってはつないだ後に「接続(マウント)」処理をしないと認識しない場合もある。詳細は、お使いのPCの取扱説明書やサポートサイトで確認してほしい。
USB PD対応のUSB4端子を備えるノートPCで、GPD G1を使い始める手順は以下の通りだ。
GPUのデバイスドライバーは、AMDが配信している純正のものを利用する。セットアップをする前にダウンロードしておくと作業がスムーズに進む。
また、GPDはWebサイトを通してGPD G1の最新ファームウェア(ビデオBIOS)を配信している。既に発売時よりも新しいファームウェアが用意されているのだが、「80W」「100W」「120W」の3種類があって若干分かりづらい。
これはGPUのTDP(熱設計電力)を表しており、80Wは「静音(性能を抑制する)」、100Wは「標準(出荷時の性能)」、120Wは「パフォーマンス優先(ファンが回りやすくなる)」のファームウェアとなる。
一応、日本語による適用ガイド(マニュアル)も用意されているのだが、Windowsのバッチファイルに関する知識が少し必要となる。今後、GPDにはより分かりやすいアプリ(プログラム)を用意してほしいと思う。
USB4接続の場合、GPD G1はホットプラグに対応する。本機のGPU(Radeon RX 7600M XT)にアクセスしているアプリがない場合、いきなり外しても怒られることはないが、念のためにタスクバーの「デバイスの安全な取り外し」アイコンからRadeon RX 7600M XTを選択してから取り外すようにしたい。
ちなみに、本機のUSB PD規格の電源供給は本機の電源をオフにすると行われない。接続先のノートPCへの給電を継続したい場合は、本機の電源を入れ続ける必要がある。
次のページでは、いよいよGPD G1の“実力”をチェックしていく。
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