写真と動画の編集に関するベンチマークは、ULのベンチマークテスト集「Procyon Professional Benchmark」を使った。
写真編集のテスト「Photo Editing Benchmark」では、アドビのレタッチアプリ「Photoshop」と、写真管理アプリ「Lightroom Classic」を用いて、「イメージのレタッチ」と「バッチ処理」に掛かった時間をスコア化して示してくれる。結果は以下の通りだ。
先の3Dグラフィックスやゲームのテストと比べるとスコア差は少なめではある。しかし、特にGPD G1をつなぐとバッチ処理のスコアが大きく伸びる。最近のCPUなら外部GPUがなくても写真アプリを快適に使えるとはいうが、やはり同じCPUを使っているなら、外部GPU“も”あった方が処理の高速化には貢献するようだ。
動画編集のテスト「Procyon Photo Editing Benchmark」では、アドビの動画編集アプリ「Premeire Pro」を使ってフルHD解像度の動画をH.264コーデック(MP4形式)で、4K解像度の動画をH.265コーデック(HEVC形式)で書き出すのにかかった時間をスコア化して性能を比較できる。
それぞれの解像度では、ほぼ単純な書き出しとなる「軽負荷」テストと、いろいろな効果を加えつつ書き出す「高負荷」テストを行うようになっており、全てのテストを1時間以内に終えることができれば、超高性能なPCといえる。
結果は以下の通りだ。
GPD G1を装着すると、スコアベースでは約1.56倍、時間ベースでは12分2秒の差となった。USB4(PCI Express 3.0)接続であることに加えて、グラフィックスメモリが8GBと動画編集向けにはやや少なめだったこともあり、思ったよりも大きな差はなかった。ただし、差が“ない”わけではなく、そこそこの時間短縮にはつながっている。
今回はGPD G1をUSB4(Thunderbolt 4)対応モバイルノートPCとつないで各種ベンチマークテストを行った。結果を見れば分かる通り、GPD G1はゲーミングや写真/動画編集において一定のパフォーマンスアップの効果がある。ThinkPadと合わせた消費電力は、FF15ベンチマーク実行中のピーク時で179W、アイドル時で43Wと、本格的なゲーミングノートPCと比べれば控え目で済む。
USB4接続をすると、USB端子とSDメモリーカードスロットを備える「ドッキングステーション」としても使える面もポイントだ。自宅(あるいは外出先)におけるモバイルノートPCの“母艦”としても活用できる。
ただ、始めから外部GPUを搭載しているノートPCと比べてしまうと、USB4規格の「最大40Gbps」かつ「PCI Express 3.0バス相当」というバス回りのボトルネックがどうしても解消しきれない。今回のテストのように、外部ディスプレイをつながないで(描画結果を内蔵GPUに戻す)運用をすると、それが如実に分かる。少しでもパフォーマンスを上げたい場合は、本機に外付けディスプレイを取り付けて、描画を“直接”出力できるようにしておいた方がいいだろう。
とはいえ、重量やボディーサイズ、バッテリー駆動時間のことを考えると「外部GPU付きのノートPCはちょっと……」という人も少なからずいるはずだ(筆者もそうである)。どうしてもモバイルノートPCじゃないとダメという人が、自宅で快適にゲームやマルチメディアを楽しむためのアイテムの1として、本機は十分に“アリ”なのではないだろうか。
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