技術的な制約のために、ViXion01のレンズは非常に小さい。枠の部分を除けば直径約6mmと、コンタクトレンズよりも小さく、目の前のレンズをのぞき込むように使用することになる。有効視野の狭さそのものもViXion01の大きな制限ではあるが、実際にはセッティングのシビアさの方が切実だと感じた。
まず、レンズの高さを正確に合わせるために鼻パッドと左側のツルを調整する。これらの素材には可塑性があり、力を入れて変形させる。
次にレンズの左右位置を調整する。左右のレンズは独立して動くので、片目ずつ1mほど先の目標物がレンズの真ん中に入るようスライドさせる。位置のセッティングが完了したら右側のダイヤルを回してピントを合わせる。単にダイヤルを回すだけだと左右両方のレンズが同時に変わり、左ボタンを押しながらだと左だけが変化する。この設定は記憶され、スイッチを切っても保持される。
ViXion01のピント合わせは1mほど先の目標物を対象に行うだけで完了する。これでオートフォーカスモードにしておくと対象物との距離に応じて自動的にフォーカスされるようになる。1点の距離での調整のみで近距離/遠距離両方ともオートフォーカスできる技術については特許出願中であるため詳細は明かせないとのことだが、ピント合わせは非常に滑らかかつ高速だ。
動作音もなく、あまりにも自然に追従するため、最初は動作していないのではないかと思ったくらいである。距離の測定は眉間部分のToFセンサーで行われるので、指でセンサー部分を覆ってみると実際の挙動がよく分かる。
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