Windows 11では、生成AIを活用したチャットbot型のアシスタント機能「Copilot」が導入され、特にOS標準の機能として使えるCopilotを「Copilot in Windows」と呼ぶ。このCopilot in Windowsのチャットでは、「会話のスタイルを選択」というメニューが表示され、具体的に3種類のスタイルを選択できるのが特徴だ。
一方で、このスタイルを変更するとどのくらい出力に変化があるのかは見えづらく、個々のユーザーがわざわざ検証するのはおっくうだと思う。そこで、本稿では(1)情報検索、(2)メールのひな型作成──という2つの用途を例にCopilotでの出力を試し、「会話のスタイルを選択」が出力するテキストにどの程度の変化をもたらすのか、検証してみた。Copilotの使用感をつかむ際の参考にしてもらえれば幸いだ。
CopilotをサポートするバージョンのWinodwsでは、タスクバーにある「Copilot in Windows」のアイコンをクリックするか、「Windows」+「C」キーの押下で、Copilot in Windowsが起動し、サイドバー状のUIでチャット画面が表示される。
「会話のスタイルを変更」の選択肢は、このサイドバーを起動し、何もチャットを表示していない状態で表示される。既に何かしらのチャットを進行している場合には、サイドバー右上にある更新のアイコンをクリックすることで、チャット画面をクリアすればよい。
具体的に会話のスタイルとして選択できるのは、「より創造的に」「よりバランスよく」「より厳密に」という3パターンだ。実際には、デフォルトの状態で「よりバランスよく」が指定されているので、ユーザーとしては「より創造的に」か「より厳密に」かを選ぶかどうか、という判断になる。
まずは、Copilot in Windowsで情報検索をする際に、会話のトーンがどのような影響を与えるのかチェックしてみよう。情報検索の例としては、「清か(さやか)」の類義語を問う形で検証してみた。
検証の流れとしては、(1)「より創造的に」で出力 → チャット画面の更新 →(2)「よりバランスよく」で出力 →チャット画面の更新 →(3)「より厳密に」で出力──のように進めた。この流れは以降の検証でも共通する。
なお、この検証の順番自体が生成AIの出力に影響を与えている可能性もあるかもしれず、さらに同じ指示でも複数回繰り返すことで出力が大きく変化する可能性もある。そのため、以下の検証結果をうのみにすることなく、あくまでもそれぞれのスタイルの傾向を知るという目的で、参考に留めていただければ幸いだ。
さて、結果は以下の通りとなった。
具体的には、「より創造的」を選択した場合には、引用元のWebページの情報がストレートに載せられていた。一方、「よりバランスよく」を選んだ場合には、引用元のWebページの情報に、わずかな解説文が添えられていた。さらに、「より厳密に」を選択した場合には、情報そのものが記載される形に変わり、視認性よりも実用性が重視された出力になった印象だ。
出力に対する評価は、人によって変わるだろうが、筆者としては「より厳密に」を選らんだものが無駄がなくて好みだと感じた。
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