Microsoftが個人向け「Copilot Pro」をリリース 優先アクセス権やMicrosoft 365との連携機能などが付いて月額3200円

» 2024年01月16日 14時15分 公開
[井上翔ITmedia]

 Microsoftは1月15日(米国太平洋時間)、日本を含む15カ国において有料サブスクリプション方式の生成AIサービス「Copilot Pro」の提供を開始した。日本における月額料金は3200円(税込み)で、利用には「Microsoftアカウント」が必要となる。Microsoft 365 Personal/Familyと組み合わせて使う場合は、有効なMicrosoft 365の契約が別途必要となる。

Copilot Pro Copilot Proがついに登場

Copilot Proの概要

 Copilot Proは、無料で利用できる「Copilot」の個人向け上位サービスという位置付けだ。現時点ではWebブラウザ、Windows 10/11(Copilot on Windows)、macOS/iPadOS向けの専用アプリから利用可能で、iOS/Android向けアプリでも近日中に利用できるようになる。日本語を含む7言語に対応する。

 本サービスで利用できる主な機能は以下の通りだ。

  • ピーク時でも「GPT-4」「GPT-4 Turbo」への優先アクセスが可能
    • サーバにアクセスが集中した場合でも、より高度な言語モデルを使える
  • Microsoft 365を構成するアプリからCopilotにアクセスが可能
    • アプリ内から「文書の下書き」「メールの要約」「プレゼンテーションの作成」などを行える
    • 対応アプリはWord/Excel(※1)/PowerPoint/Outlook/OneNote
    • Microsoft 365 Familyと組み合わせる場合はユーザー単位でCopilot Proの契約が必要
  • 「Designer」(旧Bing Image Creator)のブースト(※2)を多く割り当て
    • 通常は「1日当たり15ブースト」のところ、「1日当たり100ブースト」を付与
    • より多くのAI画像を、より迅速に生成可能
  • 「Copilot GPT Builder」を使って、Copilot GPTをカスタマイズ可能(近日提供予定)
    • シンプルなプロンプトで設定できる

(※1)リリース当初はプレビュー版で、英語でのみ利用可能
(※2)画像生成を高速化するためのターン(チケット)

Copilot Copilot(無料版)とCopilot Proの主な違い

 現時点ではWebサイトの他、App Storeのアプリ内購入(macOS/iPadOS向けアプリのみ)で購入できる。Microsoft 365 Personal/Familyのアプリから利用する場合は、同じMicrosoftアカウントでログイン(サインイン)して使う必要がある。

法人向け「Copilot for Microsoft 365」のサービス内容に変更も

 Copilot Proに相当する機能は、法人向けには「Copilot for Microsoft 365」として既に提供されている。有償のアドオン(追加)サービスとして、1ユーザー(アカウント)当たり月額3750円(年間契約)で利用できる。

 今回、この法人向けサービスも以下の通りアップデートされる。

  • 個人/SOHO向けの「Microsoft 365 Business Premium」「Microsoft 365 Business Standard」ライセンスとの組み合わせにも対応(順次)
  • 「Office 365 E3」「Office 365 E5」ライセンスでも利用可能に(順次)
    • 従来は「Microsoft 365 E3」「Microsoft 365 E5」と組み合わせる必要があった
    • 同サービスでは最小ユーザー数も撤廃(300人未満でも契約可能に)
  • ライセンスを「Microsoft Cloud Solution Provider」経由で購入可能に

 なお、教育機関向けの「Microsoft 365 for Education」でも、1月1日付で「Microsoft 365 A3」「Microsoft 365 A5」の教職員向けライセンスにおいてCopilot for Microsoft 365を利用(契約)できるようになっている(参考リンク)。

Copilot自体にも新機能

 無料で利用できるCopilotにも、以下の通り新機能が追加されている。

  • 「Copilot GPT」の順次実装
    • ユーザーの興味に合わせてCopilotの振る舞いを変更可能
    • Copilot Pro契約者は独自のCopilot GPTを作成可能(先述:近日実装予定)
  • モバイル(Android/iOS)向け「Copilotアプリ」を提供
  • モバイル向け「Microsoft 365アプリ」内からもCopilotを順次利用可能に
    • Copilotで作成したコンテンツをWordドキュメントやPDFファイルとして出力できる
    • 個人用Microsoftアカウントでログインする必要がある
    • 2月までに全ユーザーに展開予定
    • Android版アプリiOS版アプリ
Copilot アプリ,モバイル向けのCopilotアプリも登場した(画像はAndroid版)

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