HPは3月7日(米国太平洋時間)、米ネバダ州ラスベガスで年次イベント「HP Amplify Partner Conference 2024」の2日目を開催した。その基調講演(ジェネラルセッション)で、同社は法人向け「AI PC」のラインアップを披露した他、Poly(ポリ)ブランドのビデオ(Web)会議ソリューション、NVIDIA製外部GPUを備えるモバイルワークステーション、新型プリンタも発表した。
また同社は、2024年末までに投入する計画の「生成AIを活用したプリンタツール」を紹介。プリントレイアウトの調整に生成AIを活用する“少し先の未来”を示した。
1日目の基調講演と同様に、2日目もHPのパートナー企業のCEOがリアルまたはバーチャル登壇し、同社のエンリケ・ロレスCEOと対談を行った。そのトップバッターは、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOだ。
フアン氏は冒頭、半分冗談を交えながらHPのワークステーションがいかに科学の発展に貢献しているかを説明。HPの販売パートナーを大いに沸かせた。
フアンCEO NVIDIAはGPUとCUDAのソフトウエアスタックでコンピューティングの形を再定義した。それを我々は「アクセラレーテッドコンピューティング」と呼んでおり、まずはクラウドのデータセンターで始まった。そして我々が『Tensorコア』と呼んでいる、AIのためのエンジンがクライアント向けGPUにも入ってきており、コンピュータはデータを認識して、本を、音楽を、画像を、動画を、3Dを、そして今や科学も認識できるようになっている。
世界中の科学者が使っている「pandas」というデータ解析のアプリケーションがあるが、それもNVIDIAのGPU上で演算されており、世界で1000万人の科学者が活用している。それを、科学者はNVIDIAのGPUが入ったHPのワークステーション上で実行している。だから、皆さんはHPのワークステーションをもっと販売しないといけない(笑)。
その上で同氏は「これからのPC」がどうなるのか、ジョークを続けつつ展望を語り多くの喝采を受けた。
フアンCEO PCは、今“ルネサンス期”を迎えている。AIという30年に1度の大きな変革期を迎えて、ユーザーはLLM(大規模言語モデル)でプロンプトに指示を出すだけプログラミングができるようになる。知的労働者や科学者にとって、PCは有益な装置であり、今後はその価値がさらに上がっていくだろう。
今回のイベントに合わせて、HPはモバイルワークステーション「ZBookシリーズ」の新製品として「ZBook Power G11」「ZBook Firefly G11」「ZBook Studio G11」「ZBook Fury G11」を発表した。
いずれの製品もNVIDIA製の独立GPU「NVIDIA RTX Ada Laptop GPU」を搭載し、CPUは最新の「Coreプロセッサ(第14世代)」または「Core Ultraプロセッサ(Hシリーズ)」に強化されている(一部、GeForce RTX 40 Laptop GPUや第13世代Coreプロセッサを搭載するモデルもあり)。いずれも展示会場で展示されており、米国では4〜5月に出荷が始まる今後出荷されることになるとHPは説明した。
基調講演の後半には、AMDのリサ・スーCEOがバーチャル出演した。
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