では実際に使ってみよう。本製品は左右両側にUSB Type-Cポートが搭載されており、PCの配置に合わせてどちらを使ってもよい。もちろんHDMIを使うこともできるが、その場合は電力供給のためにUSBケーブルも接続しなくてはいけないので、極力USB Type-Cでの接続を選んだ方がスマートだろう。
画面解像度は2560×1600ピクセルということで、フルHD解像度(1920×1080ピクセル)のノートPCと並べると高精細さは一目で分かる。ちなみに画面はかなり明るく、初期設定状態では赤みが強めに感じる。気になるようならば、後述のOSD設定で適切なモードに変更しておくと良いだろう。
さて本製品の珍しい仕様として、背面の端にOSDメニュー操作用のボタンが搭載されていることが挙げられる。このボタンは押し込むだけでなく、上下/左右に倒してフォーカスを移動するジョイスティック機能を備えており、これ1つだけでメニューを自由自在に操作できる。
最近のモバイルディスプレイは物理ボタン類が省略されがちで、もしあってもボタンの並びとフォーカスの移動の向きが違うなど、直感的に操作できないことも多い。特に同社の製品は、ZenScreen Ink MB14AHDでもそうだったが、メニューの階層構造は分かりやすいのにボタンが押しづらく、操作性はいまひとつというケースが少なくない。
しかし、本製品はこのボタン1つで分かりやすく、なおかつ高い操作性を実現している。本製品のスタンドの幅を切り詰めたのはおそらくこのボタンを搭載するためで、それだけの価値は十分にある印象だ。同じ同社の他製品と比較しても使い勝手は劇的に改善されており、今後これが標準になっていってほしいと思う。
ちなみにこのボタン、ボディーやスタンドの側面ではなく、背面の端に配置されていることによって、本体を縦向きに設置した場合でも操作は容易だ。解像度やリフレッシュレートの高さといった数値ばかり見ていると見逃されがちだが、こういった取り組みはもっと評価されるべきだろう。
なお、この背面ボタンは、反対側にもう1つ搭載されている。形状がわずかに異なるのは上下/左右ではなく上下にのみ倒せる仕様であるためで、輝度調整とボリューム調整という、一般的なモバイルディスプレイでおなじみのショートカットが割り当てられている。
こちらも使い勝手は良好なのだが、前述のメインメニューと違ってショートカットの割当変更には非対応のようだ。個人的にはこちらの方が独立して操作できるぶん、カスタマイズ性は必要に感じる。
補足だが、これらの設定はOSDメニュー以外に、Windows用の「ASUS DisplayWidget Liteツール」でも行える。本稿執筆時点ではダウンロードできなかったため試用は行っていないが、マウスのみで設定を変更できるこちらのツールを使うのも一興だろう。
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