11年ぶりに出会った“本格的”Android搭載液タブ XPPen「Magic Drawing Pad」をプロイラストレーターがレビューして分かったアレコレある日のペン・ボード・ガジェット(4/5 ページ)

» 2024年04月30日 12時00分 公開
[refeiaITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

気になりがちなペン遅延

 おそらく、本機で絵を描くとして一番の鍵になるのが、遅延をどう受け止めるかでしょう。これはペン自体の性能というよりSoCの処理性能に余裕がないのが原因で、アプリの処理や重いブラシの影響を受けたときに違和感を覚えるレベルになりやすいです。

 セルシスの「CLIP STUDIO PAINT」でおそらく最も軽いと思われる「ドットペン」で、ペン先から線が現れるまでの遅延を120fpsの高速度撮影で測った結果が以下の通りです。

XPPen Magic Drawing Pad XPPEN Technology ペンタブレット 12.2型 Android タブ 遅延は120fps撮影でのフレーム数。個人的には10〜12ぐらいなら困らず作業できます。

 実際に描いてみると、自分の感覚ではドットペンや線画系のブラシならば遅延は気にならなかったり、多少遅延を感じたりしても普通に描くことはできました。とはいえ普段マシンパワーに甘えて描いているような感じで制作できるわけはなく、いくつかの「やりくり」をすることになります。

 まずはキャンバスを小さめに作ること。縦横を半分にすれば、描画処理に必要な演算は4倍少なくなります。

 次に処理が軽いブラシを探したり、手振れ補正を切ってみたりすること。

 さらに、基礎的な反応が良いアプリを探すこと。イラストアプリは沢山ありますが、軽いブラシであっても遅延感の差は結構あります。参考に、自分が本機でいくつか試して、追従が良いと感じたのが以下のアプリです。

XPPen Magic Drawing Pad XPPEN Technology ペンタブレット 12.2型 Android タブ どれもがイラスト制作寄りというわけではないですが……

 全体として、自分の感覚だと「ラフや線画、軽い彩色まではOK」ですが、「後半の工程はもっさり感とつきあいながらやるしかない」というのが正直な感覚です。

ガンマが浅めのディスプレイ

 現状、ディスプレイは中間調をやや明るく表示するように調整されているようです。「色が薄い」という感想も見かけましたが、実際には色よりもこの設定のせいかもしれません。試しに黒白の縞模様とグレーのパッチを作って、目を細めて濃さがそろうのはいくつかというチェックをすると、iPad Proやワコムの「Cintiq Pro」ではRGB値184あたりでそろったように見え、本機では168あたりでそろったように見えました。

XPPen Magic Drawing Pad XPPEN Technology ペンタブレット 12.2型 Android タブ 写真では判定できない点に、注意してください。

 中間調が明るいディスプレイで作ったファイルを人に渡すと中間調が締まって見え、意図したよりもコッテリした表示になります。幸いこのズレは補正が容易なので、「人に見せるファイルは明るくしてから書き出す」と覚えておくと良いでしょう。

XPPen Magic Drawing Pad XPPEN Technology ペンタブレット 12.2型 Android タブ 前もって平均的なディスプレイと見比べて、どれくらい補正すればいいか覚えておけばOKです

 アップデートなどでいつの間にか直っているかもしれませんが、人に見せる作品を作るときには気を付けておくと良いでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月31日 更新
  1. ついに日本でも販売を開始したAIグラス「Ray-Ban Meta(Gen 2)」実機レビュー 完成度は高いが課題も (2026年05月29日)
  2. 「実は社長を狙ってました(笑)」──元日本MS幹部が語るグーグル・クラウドへ移籍した理由と「伸び代しかない」日本のAI市場の今後 (2026年05月27日)
  3. 片手で持てる55万円の超ハイスペックミニPC「MINIX ER939-AI」が登場! 夏向け冷却台の新製品も (2026年05月30日)
  4. デスクワークの疲労を“電動ストレッチ”でリセット 座面にファンを内蔵した次世代ワークチェア「Omni Pro」や大柄な人向け専用モデルがLiberNovoから (2026年05月30日)
  5. スマートウォッチとの“2台持ち”がはかどる! 約12gで画面レスの「Google Fitbit Air」とパーソナルAIコーチの実力を試す (2026年05月26日)
  6. 鉄道運転シミュレーターが楽しくなる! 「ズイキマスコンPRO」(クラファン版)を買って使ってみた (2026年05月29日)
  7. Appleが新しい画像圧縮技術「PICO」をGitHubで発表/「Googlebook」はArmベースのSoCを採用 (2026年05月31日)
  8. 6台の機器を同時に急速充電できる「Anker Charger (112W, 6 Ports, GaN)」がセールで20%オフの3990円に (2026年05月29日)
  9. 所有しているのに、手元にないように感じる不思議さ ミニスパコン「NVIDIA DGX Spark」と過ごした1カ月 (2026年05月27日)
  10. 一部PCでWindows 11(バージョン 24H2/25H2)で5月のセキュリティ更新をインストールできない事象 今後の更新で解消予定(暫定回避策あり) (2026年05月26日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年