ではまとめていきましょう。
Magic Drawing Padは、ペンと画面処理を液タブ同様の仕様にした、ペンの描き味が極めて良いAndroidタブレットです。描き味に関しては従来から定評のあったiPad ProやGalaxy Tab Sシリーズよりも明らかに良く、12.2型の3:2ディスプレイのようなこだわったディスプレイも、作業性を高めるのに役立っています。
一方で、SoC性能の不足のためにペンの遅延が気になる状況に陥りやすく、描き味の良さを生かす機会を狭めています。性能さえあればこの分野でベストとまで言える素地はあるので、そこだけが悔やまれます。
また、上質なアンチグレア画面はコンテンツ閲覧にも使いやすく、内蔵する4基のスピーカーもモバイル端末としては余裕のある、豊かな鳴り方をします。動画や電子書籍、勉強など、「いつものタブレット端末」として恩恵を受けながら、液タブと同じ感触のペンでお絵描きや練習に取り組みたい人には特に合うでしょう。
といったところで。
うーん……すごいものを見ました。2013年の「Cintiq Companion Hybrid」以来、ずっと失われていたはずの、本物の液タブとAndroid端末が一緒になったデバイスです。
しかし当時とは比べ物にならないほど高機能なアプリが増え、モバイルSoCも良いものを選べばPC並みのイラスト制作までカバーできるレベルになっています。これが仮にハイエンドSoC(2年落ちぐらいでも)と120Hzディスプレイを採用していたら、どんだけドヤ顔で執筆できたことか……。
ただ、今はXPPenがこの分野に挑戦してくれたことを感謝して、次回作を楽しみに暮らしたいと思います。
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