新型「iPad Pro」が見せる未来の夢と「iPad Air」が見せたバランス感覚 実機を試して分かったiPad購入ガイド(3/5 ページ)

» 2024年05月14日 06時00分 公開
[林信行ITmedia]

製品スペックで見る新旧iPad Proの違い

 各モデルのスペックの違いをおさらいしてみよう。

 ディスプレイ技術で最も難しいのが、暗いところを真っ暗に、明るいところをとても明るくみせる明るさのコントラストの表現だ。

 旧モデルのiPad Proでも、このコントラスト比が素晴らしく100万:1を実現していたが、新型iPad Proのコントラスト比は200万:1と、新モデルは旧モデルに対して明暗差の表現力が倍増しているのだ。

Apple 新型iPad Pro 13インチ 11インチ iPad Air 標準iPad 第10世代 タブレット Apple Pencil Pro 新型iPad Proの主な特徴

 では、どれだけ画面を明るくできるのかというと最大の明るさは1600ニト、実はこの輝度は旧モデルと変わっていない。ということはその分、暗い箇所の表現性能が豊かになっていると考えられる(し、実際に暗い箇所もきれいなグラデーションが描かれている)。

 ちなみに、この1600ニトの輝度が発揮されるのは、表示する写真や映像がHDR撮影されていることが条件で、これに対応していないカメラで撮影した写真や映像、iPhoneで撮影したがそこまで明暗さがなかった写真などでは、SDR(Standard Dynamic Range)というフォーマットで記録されるが、実は新型iPad ProはこのSDRの表示でも威力を発揮する。SDR表示時の輝度は前モデルでは最大600ニトだったが、新モデルでは1000ニトになっており、通常のイメージもより明るい表示で楽しめるのだ。

 おそらくタブレット史上最高のディスプレイには、映像プロフェッショナルをうならせるもう1つの機能がある。「リファレンスモード」という機能だ。

 最近では、カメラマンや映画監督などが現場で写真や映像の確認用にiPadを使うことが増えてきている。確かにこれまでのiPad Proでも、業務用のモニター機器並みに色表現などが正確で信頼性は高かったが、画面表示の色域などの調整まではできなかった。しかし、新型iPad Proでは「リファレンスモード」という機能が追加され、画面表示のホワイトポイントや輝度などを調整できるようになっている(ただし、このモードを使うと、バッテリー動作時間に影響が出るとされている)。

Apple 新型iPad Pro 13インチ 11インチ iPad Air 標準iPad 第10世代 タブレット Apple Pencil Pro iPad Proの設定パネル「画面表示と明るさ」の「詳細設定」には「リファレンスモード」という項目が用意されており、これをオンにすれば目的に合わせてディスプレイのホワイトポイントや輝度を微調整できる

 さらにストレージ容量が1TBと2TBのモデルでは、反射の少ないNano-textureガラスもオプションとして選ぶことができる。

 最高峰のディスプレイと最高峰のプロセッサを備えつつ、製品としてはさらに薄くなったiPad Proは、さまざまなクリエイティブプロフェッショナルの働き方に大きな変化をもたらすことになるだろう。

Apple 新型iPad Pro 13インチ 11インチ iPad Air 標準iPad 第10世代 タブレット Apple Pencil Pro 新型iPad Proの容量1TB/2TBモデルでは、オプションでNano-textureガラスを選べる(差額は+1万6000円/税込み、以下同様)

 なお、新型iPad Proは全ての側面で進化しているわけではない。カメラ機能に関しては、これまで内蔵されていた超広角レンズが省かれている。ただiPad Proユーザーの多くが超広角レンズのついたiPhoneを使っており、両者がHandoff機能やAirDrop、iCloudで連携できることを考えると、実はiPad Proに超広角レンズはそもそも不要だったのではないか、という声もよく聞く。

 実際、筆者も超広角で撮る時には、小回りの利くiPhoneで撮っていることが多く、iPad Proで超広角撮影をしたことはほとんどなかった。

 カメラといえば、ビデオ会議などに使うフロントカメラは長辺の側に移動したため、本体をMagic Keyboardや他のカバー製品を使って横向きに置いた際、ビデオ会議の相手と視線の方向が合いやすくなっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月04日 更新
  1. 迷走の5年間を経て――MicrosoftがWindows 11の“不都合な真実”を認め、改善を宣言した背景 (2026年04月01日)
  2. Windows 11(24H2/25H2)の3月オプション更新でインストールできないトラブル 「帯域外更新」で対処 (2026年04月02日)
  3. 安いMacは「使えない」? MacBook Neo 8GBモデルで試す、後悔しないための活用術と注意点 (2026年04月02日)
  4. 視野2.4倍に拡大したオートフォーカスアイウェア「ViXion2」を試す 近視と老眼の悩みを一気に解消、11万円の価値はあるか? (2026年04月03日)
  5. 3COINSで880円の「3D構造マウスクッション」を試す 通気性抜群、これはトラックボールや分割キーボードに適したリストレストかも (2026年04月03日)
  6. 液晶なのにE Ink風? 約10万円の価値はある? TCLの異色電子ノート「Note A1 NXTPAPER」徹底レビュー (2026年04月03日)
  7. 3COINSで1430円の「PCケース:13.3インチ」を試す 収納ポケット充実、フリーアドレスのオフィス移動に便利 (2026年04月02日)
  8. “録画文化”は死ぬのか? 物理メディアの終わりが見えてきた今、TV番組保存の現実的な代替案を考える (2026年04月01日)
  9. 1万円台〜3万円台で買える多機能スマーウォッチ――Amazfitの各モデルがセールでさらにお得 (2026年04月02日)
  10. NVIDIAの超解像技術「DLSS 4.5」で動的/6倍マルチフレーム生成が可能に β版ドライバの適用で (2026年04月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年