VK600Aが5列の65%キーボードだったのに対し、VK720Aではファンクションキー列を加えた6列の75%キーボードになった。キーレイアウトも今までのJIS配列のみの展開から、JIS配列/US配列にモデルが拡大している。カラーバリエーションはブラック/ホワイトの2色展開だ。
他に例を見ないVK720Aの特徴の1つが、交換可能なスペースバーだ。出荷時は通常キー4.2個分程度のショートスペースバーが装着されているが、ショートスペースバー+通常キー1個分のロングスペースバーに交換することができる。JIS配列だとスペースバーの左隣には無変換キーがあるが、普段使用していないユーザーも多いだろう。キー1つ分、左手から近くなるメリットは大きいはずだ。
また、キーボード右上にはプログラマブルダイヤルが用意されている。クリック感のある正逆回転と押し込みに対応しており、それぞれに3つの機能を割り当てられる。工場出荷時の設定だと音量を上げる/音量を下げる、ミュートが割り当てられているが、メディアコントロール以外にもプロファイルの切り替えやゲーミングモード、ライティングのオン/オフなどVK720Aの動作変更、キー入力、マウス操作などを割り当てることもできる。
VK720Aでは静音化も図られている。VK600Aで採用されていた衝撃吸収シリコンシートに加え、システムの内部にも衝撃吸収用のシリコンパーツが追加された。もともとリニアなキータッチフィーリングということもあって、底打ちしなければかなり静かにタイピングできる。キー荷重も軽いので、アクチュエーションポイントを短く設定してなでるようなタイピングも可能だ。
本シリーズの「最適って、最強。」のコンセプト通り、VK720Aはユーザーの最適なセッティングに合わせて細かくカスタマイズすることができる。専用ユーティリティー「EG Tool」でカスタマイズ可能な機能は、プログラマブルダイヤルを含むキーマッピング、アクチュエーションポイントや2ndアクションなどのキー設定、ゲーミングモードの設定、ライティングなどだ。VK720AのファームウェアアップデートもEG Toolから行う。
キーマッピングは非常に強力で、通常キー/修飾キーの他、他社キーボードでは変更できないことが多いFnキーも変更が可能だ。キー以外にもプロファイルの切り替え、メディアコントロール、マウス操作、ゲーミングモードオン/オフ、IMEオン/オフを割り当てられる。
キーのオン感度/オフ感度(アクチュエーションポイント)は0.1mm〜3.8mmまで0.1mm単位で設定可能だ。全体のデフォルト設定の他、20キーまで個別指定ができるので移動キーのみ浅く設定する、速度が求められない重要なキーは誤操作を防ぐために深く設定する、などの調整を行える。
キーの押下げ距離によって、2段階のアクションを行う2ndアクションもここで指定する。2ndアクションは仕組み上、必ず1stアクションが実行されてから2ndアクションになるので注意が必要だ。また、1アクションにつき3キーまでの同時押しが設定できるが、Ctrl+Alt+Deleteキーのように、キーの押下順が問題にならない場合はよいものの、Ctrl+Leftキーなどのように修飾キーを押してからもう一つのキーを押すような操作では、意図した動きにはならないケースが多いようだ。
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