ROG Ally Xは、ゲーミングギアとしてのヒューマンインタフェースの改善にも本気で取り組んでいる。初代モデルは、手に少し硬さを感じる感触だったが、新型は実にマイルドで手になじむ。初代よりも最厚部の厚みが増したが、逆にグリップ感の良さに貢献している印象だ。
ゲームパッド、コントローラー部の配置の最適化、各部品の精度向上も行われている。スティックやボタンもちょうど良い位置にあるだけでなく、十字型パッドやボタンの戻りがとてもスムーズだ。いわゆる「パコパコ感」が全くない操作感がとても心地良い。
ジョイスティックは約500万回の耐久性をうたう。数字だけを見ると「ふーん」という感じかもしれないが、「壊れたらコントローラーだけ買い替え」ということがカジュアルにできない製品(外付けはできるが)だけに、コントローラー部の耐久性は地味ながら重要な要素だろう。
この発表会の後には、品質試験ラボを見学する機会があったが、ROG Ally Xに関しても、機械を使って実際にジョイスティック操作やボタン連打、ボディーへ前後のひねりを加えるなど、耐久性をチェックする試験の様子を見ることができた。
さらに、本機では同社の外付けGPUボックス「ROG XG Mobile」用インタフェースが、新たにThunderbolt 4(USB4)対応のUSB Type-C端子に置き換わっているのも興味深い。
ROG XG Mobileインタフェースは、Thunderbolt以上に高速(64Gbps)な反面、ケーブルが太く短いためROG Ally Xのような小型デバイスでは扱いにくい面もあったので、細くしなやかなケーブルが使える汎用(はんよう)規格であるThunderbolt 4にしたのは英断だろう。
Thunderbolt 4対応の外付けGPUボックスの登場については未定ということだったが、汎用のThunderbolt 4/Thunderbolt 3対応の外付けGPUボックスが使えるので、GPU性能を強化したい人はそれで対応できるだろう。また、USB Type-C端子が2基になったことで、外付けGPUボックスを利用しない場合は2基とも自由に使えるため、ポータブルPCとしての活用の幅と利便性は上がったといえる。
活用の幅といえば、新たに新チャージャーが用意されたのも見逃せない。3基のUSB Type-C端子と1基のUSB Standard-A端子を備え、合計140Wを給電できるマルチチャージャー仕様になり、スマートフォンやワイヤレスヘッドセットなど一緒に携帯するデバイスも充電可能になった。
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