2018年発売の「ルンバ e5」を納めに来た家族は、「まだ娘が幼かった頃は(ルンバが動き始めると)怖くて泣いていたが、大きくなるにつれて、どんどん仲良しになっていった。ルンバに乗るなどして、楽しく付き合っていたようだ。他にもいろいろしなければならないことがある中で、掃除だけでも任せられたルンバには感謝している。娘の成長と共にあったルンバと別れるのはやはり寂しい……」と語っていた。
「感謝の御言葉」でルンバへの手紙を朗読した田中さんの家族からも、話を聞くことができた。
杏樹が4歳、弟が1歳の頃にルンバがやってきて、3年半を共に過ごしました。ルンバには「ゆき」という名前を付けました。(手紙にもある通り)弟は最初のうち怖がって逃げていましたが、今では話しかけたり、どこかにはまっている時には助けたり、ダストボックスがいっぱいになっていると「捨ててあげて」と教えてくれたりするまでになりました。
「散らかっていると、ゆきちゃんが掃除できないよ」と声がけをすれば、子どもたちは自発的に床に散らかっているものを片付けてくれます。「ゆき」の存在は、教育にも良かったと思っています。
最初は、家事を楽にしたいとのことで導入したのですが、部屋の清潔さを保てることが、ここまで心の安定につながるのかと、感謝しかありません。「食器洗浄乾燥機」「乾燥機付き全自動洗濯機」と共に、現代の“三種の神器”だと思います。
ちなみに、ルンバに「ゆき」と名付けたのは冬にやってきた(購入した)からとのこと。次は水拭きもできる“子”をお迎え予定で、名前は「なっちゃん」(夏にやってくるから)にすると、うれしそうに話してくれた。
神田明神とルンバといえば、2023年末に行われた「煤(すす)納めの儀」にルンバ11台が登場したというニュースを思い出す人がいるだろう。
ルンバを展開するアイロボットジャパンの本社は、東京都千代田区神田錦町にある。神田錦町の氏神様でもある神田明神は、「秋葉原」という通称で知られる千代田区外神田に所在しており(※2)、ITやサブカルチャーを積極的に取り入れる神社としても有名だ。
(※2)「秋葉原」という地名は本来、区境を挟んで外神田と隣接する東京都台東区のものである
実はアイロボットジャパンは神田明神の氏子でもある。ただ、それだけでは先日の煤(すす)払いの儀、そして今回の感謝祭を開催する理由としては薄い。
その点について、神田明神の権禰宜(ごんねぎ)で、広報担当を務める加藤哲平氏はこう語る。
日本には「モノに御霊(みたま)が宿る」という考えがあります。は針供養や刃物供養など、仏教でこれまでお世話になったモノを「供養する」と言いますが、神道では同じ感謝でも供養という言葉を使わない。
そこで今回、感謝祭という儀式という形を取ることにしました。
通電するプロダクトのおはらいは初めてだったそうだが、「御霊が宿るのは(ロボット掃除機も)同じこと。それを清めて、おはらいできて良かった」と語る。
さらに加藤氏は、アイロボットジャパンだけでなく、同じ千代田区内にあるリサイクル業者のリーテムも関係するようになったことについて、次のように話してくれた。
神田明神は、縁結びの神を祭る神社でもあります。(2023年に行った)煤納めの儀でアイロボットジャパンさんとの御縁をいただき、そのニュースを見た再資源化企業であるリーテムさんからもお声がけいただいた。神社が両社の架け橋、縁結びのきっかけになれたと考えています。
今回、感謝祭という形で両社の御縁を目に見えるものにできました。氏子さん同士をつなげる、コミュニティーを作る役割を与えてもらったのはすてきなことだと感謝しています。
今回の感謝祭には「2024」という西暦年が頭についている。もしかしたら来年(2025年)も開催されるかも……と期待するのは筆者だけではないはずだ。
これまで働いてくれた家族同然のルンバにふさわしいお別れイベントが恒例行事になる日が、そう遠くない未来にやってくるのかもしれない。
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