未来を創る「子どもとプログラミング教育」

「できたできた!」の声が響くSTEMプログラミング出張授業 アイロボットジャパンの場合(1/3 ページ)

» 2023年11月15日 19時12分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 「やったー! できたー!」――そんな元気な声が小学校の体育館内に響き渡る。9月、東京都世田谷区にある下北沢小学校で、アイロボットジャパン社員によるSTEMプログラミング出張授業が行われた。対象となったのは小学2年生の1クラスで、教室から持ってきた椅子の小ささにスタッフはもちろん、取材する記者たちの顔がついほころぶ。

 授業に使うのはプログラミング教育専用に作られたプログラミングロボット「Root rt0」(ルート アールティーゼロ)と、日本では未発売の「Create 3」(クリエイト スリー)だ。

 米iRobot本社からCEOがやってくる、というサプライズもあった約1時間45分のプログラミング授業で児童たちは何を学んだのか。子供たちのSTEM(科学・技術・工学・数学)教育を考える上で振り返ってみたい。

iPadとRoot プログラミング教材のiPadとRoot

Rootとは?

 Rootは、アイロボットがプログラミングを体験しながら計算的思考スキルを養えるように開発した自走式の小型ロボットで、直進、方向転換、発光、描画、音楽演奏などを行える。掃除機のルンバをモチーフとしたデザインだが、円形ではなく六角形のボディーで、縦横ともに15cm未満とコンパクト。小さな手を持つ子どもでも扱いやすい。

コンパクト 縦横ともに15cm未満のコンパクトボディーで、扱いやすく親しみやすい。写真に写るのは「Root rt0」の底部

 Rootには、20種類以上の反応型センサーと機能を持つ「Root rt0」と、30種類以上の反応型センサーと機能、そしてマグネットの力で垂直のホワイトボード上を走行できる「Root rt1」がある。価格は順に2万4800円(税込み、以下同)と2万9800円だ。

Root rt0の機能の一部 パッケージに印刷されたRoot rt0の機能の一部。自走式、バンパー、タッチセンサー、LEDライト、マーカーを使った描画などをアイコンで表現する

 専用コーディングアプリ「iRobot Coding」を使い、広げると4×4の16区画に分けられたタイルが現れる折りたたみ式ホワイトボードの上を動かしていく。タイルひとつひとつの大きさは16cm×16cmだ。

本日の教材 本日の教材。iRobot Codingアプリをインストール済みのiPad、Root rt0を入れるポーチ、Create 3、ホワイトボードマーカー、Create 3用大きい折りたたみ式ホワイトボード、Root rt0、Root rt0用の小さい折りたたみ式ホワイトボード。なお、児童たちの入場時には、Root rt0はポーチに収納した上で、机の上にそのポーチとiPadのみが載せられた状態になっていた

 iRobot Codingの対応OSはAndroid/Chrome/Windows/iOS/macOSと幅広い。コマンドのブロック(グラフィカルブロック)を並べていくだけのレベル1から、テキストコードを作成する(フルテキストブロック)レベル3までの難易度をアプリから選べる。対象年齢は6歳以上だ。

 今回は、小学2年生ということもあり、基本はレベル1で、慣れたきたところでレベル2を織り交ぜながら授業が行われた。

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