未来を創る「子どもとプログラミング教育」

STEM教育を支える電子工作キットが多数 「EDIX 東京 2021」の注目展示をチェック!(後編)(1/3 ページ)

» 2021年08月16日 13時30分 公開
[石井英男ITmedia]
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 5月12日から14日にかけて、東京ビッグサイト(東京都港区)で教育に関する総合展示会「EDIX東京」が開催された。この展示会では、学習用端末(PC)、電子黒板やクラウドサービスなど、教育ICTに関する商品が一挙に集まる。

 この記事では、昨今注目を集めている「STEM(科学、技術、エンジニアリング、数学)」教育に関連する教材の展示を紹介していく。

EDIX東京2021 EDIX東京は、教育に関する製品やサービスに関する展示会の集合体で、2021年は4つの展示会が併催された
来場者は少なめ 新型コロナウイルス感染症の拡大と、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発出されていたこともあり、会場展示を見合わせる企業や団体も見受けられた。来場者も、筆者の見る限りは例年と比べると少なめだった

ブレッドボードやmicro:bitを使った電子工作教材

 最近、教育市場で注目を集めているのが、はんだ付けが一切不要な「ブレッドボード」や、イギリスのBBCが主導して開発された手のひらマイコン「micro:bit(マイクロビット)」を使った電子工作教材だ。今回のEDIX東京 2021でも、複数のブースで展示があった。

次世代商品開発研究所ブース

 次世代商品開発研究所のブースでは、小中学生を対象としたブレッドボードやタブレットを使った教材を展示していた。

 先述の通り、ブレッドボードは、はんだ付けが不要である。そのため、小学校低学年でも比較的安全に扱えることがメリットだ。同社のブレッドボード教材は、タブレット端末で組み立て方や回路の仕組みを学べるため、児童/生徒も自分のペースで作業を進められることも魅力といえる。

 同社のブースでは、ブレッドボードを使う「自動運転カー」の他、はんだ付けが一切不要で、金属箔(はく)テープで回路をつなぐ「ソーラーICオルゴール」、はんだ付けが必要な「ミニ野菜工場キット」も展示されていた。ソーラーICオルゴールは、幼稚園/保育園の児童も対象に含まれるという。

ブース 次世代商品開発研究所ブースには電子工作教材が複数展示されていた。タブレットで学べるというのが“今風”である
自動運転カー 小学生以上が対象の「自動運転カー」。黒い線をたどってグルグルと回るという「ライントレース」という仕組みを採用している
キット一式組み立てている様子 自動運転カーはブレッドボードを使って組み立てる。左の写真はキット一式、右の写真は実際に組み立ててる途中の様子だ
タブレット 同社の電子工作教材は、タブレットを使って回路の仕組みや組み立て方を学べるようになっている
野菜工場キット一式使っている様子 小学生以上を対象とする「ミニ野菜工場キット」。こちらははんだ付けが必要となるが、3種類のLEDを組み合わせて野菜(植物)の生育にピッタリな光を発することで、カイワレなど場所を取らない野菜を育てられるというものだ。野菜の高さを見るための物差しも付いているので、なかなか楽しそうである
ソーラーIC 保育園/幼稚園の児童以上が対象の「ソーラーICオルゴール」。はんだ付けは一切不要で、金属箔テープで回路をつなぐ仕組みだ

スイッチエデュケーションブース

 スイッチエデュケーションのブースでは、micro:bitを活用した電子工作キットが展示されていた。

 はんだ付けが必要な中学校向けの「ライントレーサー」や、小学校の理科学習用の「電気の利用」キット、6足歩行ロボット「プログラミング・フォロ」の他、佼成学園高等学校と共同開発を進めているロボットキットのデモが行われていた。

ブースの様子 スイッチエデュケーションのブースでは、micro:bitを使った電子工作教材を中心に展示している
ライントレーサー 中学生向け教材であるライントレーサー。組み立てにははんだ付けが必要となる
電気の利用キット 電気の利用キットは、小学6年生の理科で学ぶ「電気の利用」という単元で利用するもので、はんだ付けなしで組み立てられる
プログラミング・フォロ プログラミング・フォロは、micro:bitを使った6足歩行ロボットだ。民間のロボット教室で採用例が多いという
開発中キット 佼成学園高等学校と共同開発を進めているロボットキット。上の皿に寿司を載せると目的地まで移動し、目的地に着くと皿が回転して「差し出す」ようになっている
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