既報の通り、2024年4月15日に米Adobeは「Acrobat AI Assistant」の提供を開始した。そして本イベントで、「Acrobat AI Assistant日本語版」の開発表明がなされた。
現状、Acrobat AI Assistantでは、最大120ページ(データ容量では最大25MB)のPDFファイルの内容を読み込み、サマリーの作成や内容に関する質問の回答などを行える。しかし、メニューが英語表記なので、ネイティブではない人にとって、さらにデジタルでの作業を手間だと考える人にとってハードルの高いものとなってしまう。
しかし、メニューや「質問してください(Ask a question this document)」の部分や「回答を生成しています(Generating response)」などが日本語化されていれば親しみやすくなるだろう。何より日本語のPDFを読み込め、日本語で質問でき、日本語で回答を得られる。
社外初公開となったデモでは、日本語のPDFを学習したAcrobat AI Assistantに岩松健史氏(アドビ デジタルメディア事業統括本部ビジネスデベロップメントマネージャー)が日本語で質問を書き込み、わずかな時間で日本語で回答を得る様子が紹介された。
「PDFを利用するメリットは何か?」という日本語での問いかけに対し、「Why PDF Position Paper」というPDFについて日本語でまとめた37ページほどのPDFの中から該当するものを見つけ、日本語で回答しているAcrobat AI Assistant日本語版(開発中)岩松氏は、「会議の文字起こしをPDF化すれば、一瞬でサマリーを作成し、会議に出席できなかった人でも短時間で内容を把握できるようになる」と、Acrobat AI Assistant日本語版のメリットを解説した。
竹嶋氏は、「PDF書類を宝の山としてたくさん保管していても、そのデータをうまく活用できていないという企業は多い。それを有効活用してほしい」と言い、岩松氏は「将来的には複数のPDFから横断的に回答を得られるようにしていきたい」と展望を語っていた。
「私のイチオー業務川柳」最優秀作品や、入選作品を発表するために登場したお笑いコンビ ミキの昴生さんと亜生さんは、「普段、PDFを使っていますか」という質問に対して「マネージャーから台本をPDFで送っておいたよとか、ここ(ゲートシティ大崎イーストタワー)までの地図をPDFでもらったりしたけど、普段の嫁との会話に『あのPDFどうなった?』というようなやり取りをすることはないですね」と笑いを誘いつつ、PDFを連呼し、「人生の中でPDFという言葉を一番使った日なんじゃないの!?」と会場を沸かせていた。
肝心の私のイチオー業務川柳最優秀作品は「電子書類 印刷手書き 再スキャン」であることがボード上で発表されると、ミキの二人は爆笑しつつ「すごいムダ!」と一喝。なお、昴生さんのお気に入りは「役員の 会議資料は フルカラー」、亜生さんのお気に入りは「空気読み お辞儀ハンコで ヨイショする」だった。
トークセッションでは、芸人としての「イチオー業務川柳」をそれぞれが発表した。プライベートでも「お兄ちゃん!」と声をかけられれば、元気に「はい!」と応じることをポリシーとしている昴生さんは「お兄ちゃん 声がけされたら 元気にはい!」を、亜生さんは「出番前 西川きよしに 要注意」と後輩思いの大先輩への愛情(?)を川柳にしたためていた。
竹嶋氏は「ムダな業務を省く代替手段は、当社以外のメーカーからもさまざまなツールが出ている。一人一人の心がけ、また各企業の管理職の人たちの考え1つで変えていけるものばかりなので、それを心に留めていただければ幸いです」と締めくくっていた。
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