地域によっては日本語を理解できない児童・生徒を抱えている学校がある。そのような場合、先生の努力だけではどうしようもないため、通訳者を呼んで授業を行うが、必ずしもスケジュールが空いているとも限らない。
そこで有効なのが「ポケトーク for スクール」だ。これは、「ポケトーク ライブ通訳」と「ポケトーク カンファレンス」を応用したツールで、教師が日本語で話した内容をリアルタイムで翻訳して児童・生徒の端末に自国語で表示するというものだ。
アカウントは教師もしくは学校側が管理し、1つのアカウントに対して1つのシリアルが発行され、そのQRコードを児童・生徒が端末で読み込んでWebブラウザ上のポケトーク for スクール共有リンクを開ける。あとは「相手の言語」を「日本語」に、「私の言語」をリストから言語を設定すれば、端末のマイクが聞き取った日本語を適宜翻訳してブラウザ上にテキスト表示する。
日本語も通訳した言語もテキストをダウンロードできるので、振り返り学習にも適している。
また、音声取り込み先をPCに設定すれば、対面学習だけでなく、オンライン授業や録画された授業でも翻訳された内容を読める。
1アカウントの料金は年間で40万円だが、都度通訳者を呼ぶよりはるかにコストがかからずスケジュールに縛られることもなく、コミュニケーションコストもかからない。
2021年度にスタートした第1期GIGAスクール構想を通して見えてきた課題に対処するフェーズとなったNEXT GIGA。ITツールを導入したことで、かえって業務の増えてしまった教職員をサポートするソリューションが増えてきていると感じられる展示会だった。手書きというアナログな部分を残しつつ、デジタルの良いところの恩恵も受けられる。印刷する必要がなくならないのであれば、それをいかにスピードアップさせるかを考える。
教職員にとってメリットのあるツールは、引いては学習者である子どもたちにもメリットがあるので、これからも使いやすさと効率の良さを両立させたツールが開発されることを願いたい。
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「ポケトーク同時通訳」2022年冬に登場へ AIが英語→日本語音声に翻訳Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.