続いて、内部的な違いを見ていこう。
本製品の目玉は高速化だ。従来はMediaTek系列だったSoCが、本製品では自社製の「Amazon AZ2ニューラルネットワークエンジン内蔵のオクタコアSoC」になっている。筆者の手元にある第1世代モデルと比べると、レスポンスは触れてすぐ分かるほど高速化しており、タッチによる操作時のイライラ感は大幅に軽減されている。
またカメラの映像を表示する時のレスポンスも、大幅に高速化した。筆者の環境では、第1世代モデルでは「Alexa、(カメラ名)を見せて」と声をかけてから表示までに5〜6秒はかかっていたのが、今回の第3世代モデルでは2秒ほどで表示される。カメラのビューアとしての用途で使っているならば、要注目と言える。
スマートホーム規格として、Zigbee/Matter/Threadボーダールーターに対応したのも目玉だ。Zigbeeは古いEchoからサポートしている規格で、対応製品も少ないためあまり必要性を感じないが、残りの2つは将来有望な規格であり、サポートする意義は高い。ただし今回試したところ、第1世代モデルでは行えたMatterデバイスの検出が本製品では行えなかったことを付記しておきたい。
追加したいデバイスがMatter対応で、かつネットワーク内に本製品のようなMatter対応のハブ製品があると、Alexaアプリでのデバイス追加時に「使用可能なデバイス」に表示される(左)。手順に従ってMatterの11桁コードを入力することで、メーカー製アプリを使わなくとも連携できる(中央)。ただし、今回は本製品経由でのMatterデバイスの検出は行えず、Echo Show 8(第1世代)側で検出されてしまった。第1世代モデルの電源をオフにしても同様の結果だった(右)この他にもスピーカーは、パッシブラジエーター付きの2型ネオジムスピーカー×2と、スペック上は変化していないのだが、新たに空間オーディオに対応した。こちらも本製品の目玉機能の1つといっていいだろう。
設定画面についても比較してみよう。Echo Showシリーズはスマートフォンアプリと本体それぞれに設定画面があり、その両方にそれぞれにしかない項目があるという、ややこしさがあり本製品でもこの図式は変わっていない。
その設定項目は、細部を見ていくと若干の差はあるが、機能面で大きく異なっているというわけではない。例えばスマホアプリ側の設定画面には、第1世代にない「Bluetooth」「ジェスチャー」の2項目があるが、画面に手をかざしてアラームを止めるジェスチャーは第2世代で既に搭載されている。またBluetoothは第1世代モデルでは本体側で設定する仕様だったので、実質的に機能面の違いはないとみなして差し支えない。
「ジェスチャー」は、カメラに向かって手をかざすことでアラームなどを止める項目。第2世代から実装された機能で、第1世代には非搭載だ(左)。新たに対応した空間オーディオは、設定としては特に有効/無効を切り替える項目はない(中央)。すっかりおなじみになったAlexaの話す速度の変更機能。速度を上げると体感的にもっさり感が解消されるのでお勧めだ(右)Echo本体側での設定項目は、「注目の機能」「Alexaに話しかける」の2項目が本製品にのみ存在し、第1世代モデルにはない。「注目の機能」はその名の通り便利機能を紹介する画面だが、ここで項目を作ったところで、あまり効果があるようには感じられない。
もう1つの「Alexaに話しかける」は、スマホアプリ側の設定項目にあるウェイクワードの切り替えと、会話継続モードの有効/無効を切り替える画面をピックアップしたもので、こちらも項目を独立させてある意図がいまひとつ不明だ。総じて、機能的な違いはないと言って差し支えない。
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