Amazonから新しく登場した画面付きスマートスピーカー「Echo Show 8」。前回は競合製品との相違点など外観の紹介、およびセットアップの手順を紹介した。今回は姉妹モデルにあたる「Echo Show 5」との相違点や、筆者が実際にしばらく使い込んだ上でのポイントを紹介する。
本製品は、ボタン配置が5型のディスプレイを備えたEcho Show 5とそっくりなことからも分かるように、操作方法もEcho Show 5とほぼ同様だ。
具体的には、上から下にスワイプすれば設定用のメニューが表示される他、右から左へとスワイプするとミュージックやビデオ、スマートホームや定型アクションへのショートカットが表示できる。音声に加えて画面でも操作可能なのは、画面のない一般的なスマートスピーカーにない利点だ。
機能についても、ざっとチェックした限りではEcho Show 5と同様で、アラームや音楽再生などの基本的な機能はもちろん、外部のスマートリモコンと連動しての家電製品のコントロールなどにも対応する。後述するが、Amazonプライム・ビデオも実用レベルでの再生が可能だ。
一方、競合製品となる7型のGoogle Nest Hubと比べると、YouTubeの直接再生ができなかったり、また聞き取った音声コマンドをテキストに変換して画面上に表示したりする機能もない。YouTubeの代わりにAmazonプライム・ビデオの再生に対応するのは、本製品ならではの差別化要因として許容できるとして、後者はぜひ対応してほしいと感じる。
さて、このEcho Show 8だが、Echo Show 5の大型版のように見えて、実際に横に並べて動作させると、挙動はかなり異なっていることが分かる。
まず1つは、Echo Show 5のように、デジタル時計を全画面表示できないことだ。Echo Show 5はこの表示にすることで、外見も挙動も、あたかも目覚まし時計のように使えたが、本製品はそういったモードを搭載せず、時刻は画面の左隅に小さく表示することしかできない。本体上部を軽くたたくと、スヌーズしてくれる機能も省かれている。
画面サイズの大小が違うから仕方ない──と思うかもしれないが、本製品のライバルであるGoogle Nest Hubは、7型の画面いっぱいに時計を表示でき、実際に筆者自身がその状態で普段使用しているので、どうにも機能が不足しているように感じてしまう。
これらの違いは、設定画面にも表れている。Echo Show 5は、まず「時計」のデザインを選び、その詳細を決める過程で色や壁紙を決める。あくまでも時計ありきの設定だ。
これに対して本製品は、まず壁紙を決め、それに付随する設定の1つとして、時計の挙動、例えば12/24時間表示などの設定を行う。壁紙にはデフォルトの設定の他、Amazon Photosからライブラリーを読み込む項目もあり、言うなればフォトスタンドとしての設定が主だ。
ちなみに、この本製品の仕様は10.1型のEcho Showとほぼ同様だ。つまりEcho Show 5だけが「時計」で、Echo Show 8とEcho Showは「フォトスタンド」といっていい味付けがなされていることになる。
この方向性は、画面サイズを考えると決しておかしくはないのだが、Echo Show 5を所有している筆者からすると、中間サイズである本製品は、時計寄りの使い方もできてほしいと思う。確かに8型の画面いっぱいに時計を表示するとかなり巨大ではあるが、使い方を選ぶのはユーザであって、機能そのものをなくすのはちょっと違う気はする。
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