逆に、個人的にプラスだと感じる機能もある。それは、画面の下に繰り返し表示されるヒントを、設定によってはオフにできることだ。
Echo Show 5、およびその先代のEcho Showは、どのように設定を変更しても、画面の下に必ずヒントが繰り返し表示されていた。この表示のエフェクトはスマホの着信の通知と酷似しており、視野に入っているとうっとうしいと感じることが多々あった。
本製品は、設定画面の「ホームコンテンツ」で全ての項目をオフにし、かつ「連続」のチェックを外すことによって、ホーム画面上のヒント表示を無効にできる。つまり、左上の時計表示以外には何も表示しない状態をキープできるわけだ。
個人的には、画面が搭載されているからといって、常日頃から情報を表示しておく必要は全くなく、見たい時に見たい情報を表示でき、かつタッチで操作できれば構わない。それゆえ、過剰な自己主張をしないこの仕様は大歓迎だ。
もっとも、ミュージック再生中などにヒント表示が下段に割り込んでくる仕様は相変わらずだが、少なくともホーム画面でおとなしくしていてくれれば、視界に入る場所に設置できるので、従来とは大違いだ。
なお、壁紙に「旅行」「アート」「自然」などを選んでいる場合は、約1分弱の間隔で、壁紙がスライドショーよろしく切り替わる。これすらもオフにしたければ、壁紙を「ミニマル」にするか、あるいは「Alexaアプリの写真」を選んで手持ちの写真をアップロードしておけばよい。「ミニマル」のグレーが味気なければ、単色の画像ファイルを写真としてアップする技もある。
ちなみに、本稿執筆時点ではEcho ShowおよびEcho Show 5もアップデートによって挙動が変更になっている。例えばEcho Showは、ヒントが切り替わるときの消滅→出現のエフェクトがなくなり、瞬時に切り替わるようになった。これならばヒントが表示されていても目障りではない。このアップデートは歓迎だ。
一方のEcho Show 5も、本製品と同様に、ホームコンテンツのチェックを全て外して連続をオフにしておけば、ヒントが表示されなくなった。もともと時計をメインにしていればヒントが表示されなかったとはいえ、こちらも望ましいアップデートだ。形は違えど、本製品の仕様変更が両製品にフィードバックされた格好だ。
ところで、本製品はEcho Show 5に比べて画面サイズが大きいことから、動画鑑賞、具体的にはAmazonプライム・ビデオの再生も実用的に行える。デスクの傍らに置いておき、別の作業をしつつ、ながら見をする用途であれば、スマホやタブレットのように手で保持する必要がないぶん、テレビライクに使えて重宝する。
これは10.1型モデルのEcho Showでも可能だったが、こちらは画面サイズが大きすぎてかなりの威圧感があった。8型という本製品のサイズであれば、こうした「ながら見」の用途にはぴったりだ。
操作方法は、音声で「プライム・ビデオを開いて」と声をかけるか、あるいはホーム画面を右から左にスワイプして「ビデオ」を選択すればよい。その上で「次に観る」をタップすれば、これまでタブレットやFire TVで使っていたウォッチリスト(次に観る)がそのまま表示される。後はタイトルを選んでタップすれば、すぐに再生が始まる。極めて快適だ。
ただし、スピーカーはやや不満が残る。背後に向かって音が出るせいで、10.1型の「Echo Show」と違って、音が全体的にこもって聞こえるのだ。動画視聴を主用途のひとつとして考えているならば、外部スピーカーを追加するか、あるいは「Echo Show」を選択すべきだろう。
また、テレビライクに使えて重宝するとは言いながらも、現実的にはプライム・ビデオ(またはひかりTV)の連続再生を使ってアニメやドラマを延々と流す以外に、本製品に適したコンテンツが存在しないのがもったいない。
例えば、最新のニュースを(毎回読み上げを指示することなく)繰り返し流してくれたり、また本稿執筆時点で大流行しているコロナウイルス関連の最新情報をスライドショー表示してくれたりするスキルがあれば是非試したいのだが、現時点ではそうしたスキルは見当たらない。「いったん再生を始めたら停止を指示するまでリピートできる」という条件に該当するニューススキルをご存じの方は、ぜひ教えていただきたい。
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