AMDの新型CPU「Ryzen 9 9900X/9950X」の真価はどこで発揮される? 試して分かったこと:先行レビュー(2/4 ページ)

» 2024年08月14日 22時00分 公開
[迎悟,ITmedia]

ベンチマークテストで実力をチェック!

 ここからは、Ryzen 9 9900XとRyzen 9 9950Xの実力をベンチマークテストを通してチェックする。今回はAMDから借りたCPUと、各種自作PCパーツを組み合わせてベンチマーク環境を構築している。

 また比較用として、過去にベンチマークテストを実施したRyzen 9000Xシリーズの下位モデルとRyzen 7000Xシリーズのスコアや、今回のテスト環境と同様に外部GPUとしてGeForce RTX 4080 SUPERを搭載したPCにおけるスコアを掲載している。

 直近で行ったRyzen 9000Xシリーズの下位モデルのテストを除き、現在とはテスト環境が異なることもあり、あくまでも参考程度に捉えてもらえれば幸いだ。

今回のテスト環境 今回のテスト環境

CINEBENCH R23

 まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスを確認できる「CINEBENCH R23」を実行した。スコアは以下の通りだ。

  • シングルコア
    • Ryzen 9 9950X:2215ポイント
    • Ryzen 9 9900X:2187ポイント
    • Ryzen 7 9700X:2196ポイント
    • Ryzen 5 9600X:2174ポイント
    • Ryzen 9 7950X:2056ポイント
    • Ryzen 9 7900X:2012ポイント
    • Ryzen 7 7700X:2001ポイント
    • Ryzen 5 7600X:1965ポイント
    • Core i9-14900K:2253ポイント
    • Core i7-14700K:2115ポイント
    • Core i5-14600K:2009ポイント
  • マルチコア
    • Ryzen 9 9950X:4万293ポイント
    • Ryzen 9 9900X:3万2616ポイント
    • Ryzen 7 9700X:1万9858ポイント
    • Ryzen 5 9600X:1万6682ポイント
    • Ryzen 9 7950X:3万7811ポイント
    • Ryzen 9 7900X:2万8864ポイント
    • Ryzen 7 7700X:1万9515ポイント
    • Ryzen 5 7600X:1万4988ポイント
    • Core i9-14900K:3万8042ポイント
    • Core i7-14700K:3万3035ポイント
    • Core i5-14600K:2万3602ポイント

 シングルコアのスコアについては、直近で測定したRyzen 5 9600XやRyzen 7 9700Xと大きな差がない。同じアーキテクチャで動作クロックにも大差がないので当然といえば当然だが、Ryzen 7000Xシリーズと比べるとシングルコアの性能は着実に改善していることは間違いない。

 マルチコアのスコアに目を向けると、Ryzen 9 9950Xは4万ポイントの大台に乗った。これまでも「Ryzen 9 7950X」や「Core i9-14900K」において4万ポイント近くを記録したことがあるものの、あくまで“近く”だった。

 今回、CPUに対するオーバークロックは特に設定していない。標準設定のままでも4万ポイントを超えるとは、新時代の到来を感じる。

 余談だが、筆者が先日まで使っていたメインPCのCPU「Ryzen Threadripper 3970X」(32コア64スレッド)も、マルチコアのスコアは4万ほどだった。Ryzen 9 9950Xは半分のコアで同等の演算能力を有すると評価されているわけで、やはり進化の度合いはすごいと思う。

CINEBENCH R23の結果 CINEBENCH R23の結果

PCMark 10

 次は、PCの総合的な性能をチェックできる「PCMark 10」の結果を見ていこう。

 ここからは、Ryzen 9000XシリーズとCore i9-13900Kを搭載するPCで比較していく。総合スコアは以下の通りだ。

  • Ryzen 9 9950X:1万949ポイント
  • Ryzen 9 9900X:1万632ポイント
  • Ryzen 7 9700X:1万646ポイント
  • Ryzen 5 9600X:9120ポイント
  • Core i9-13900K:1万54ポイント

 PCMark 10は、Webブラウジングやオフィスソフトの利用といった処理の軽いものから、ビデオ会議や画像編集といった重たい作業まで、PCで行われる多くの作業をまとめてテストする“総合テスト”だ。テスト中は、意図的にいくつかの作業を並行して行うシーンも用意されている。

 並行作業は、物理コア(あるいはスレッド数)が多いCPUほど優位に立ちやすい。しかし前回、8コア16スレッドのRyzen 7 9700Xは、合計で24コア32スレッドを備えるCore i9-13900Kを上回るスコアを記録した。1コア当たりの性能改善に加えて、「全部がPコア」という設計方針が奏功したものと思われる。

 今回のテストでは、Ryzen 9 9900XはRyzen 7 9700Xに僅差で負けているが、これは誤差の範囲だろう。そして、Ryzen 9 9950XはRyzen 7 9700Xに勝っているものの、そこまで大きな差とはなっていない。

 日常利用だけではRyzen 9 9900X/9950Xの性能は持て余す――そういうことなのだろう。

PCMark 10の結果(総合スコア) PCMark 10の結果(総合スコア)

3DMark

 続けて、3Dグラフィックスの総合ベンチマークテストアプリ「3DMark」の主要テストを一通り実行してみた。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」と、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」における総合スコアは以下の通りだ。

  • Fire Strike(フルHD:1920×1080ピクセル)
    • Ryzen 9 9950X:5万719ポイント
    • Ryzen 9 9900X:4万9572ポイント
    • Ryzen 7 9700X:4万9218ポイント
    • Ryzen 5 9600X:4万6596ポイント
    • Core i9-13900K:4万781ポイント
  • Fire Strike Extreme(WQHD:2560×1440ピクセル)
    • Ryzen 9 9950X:3万3054ポイント
    • Ryzen 9 9900X:3万2274ポイント
    • Ryzen 7 9700X:3万1862ポイント
    • Ryzen 5 9600X:3万783ポイント
    • Core i9-13900K:3万1613ポイント
  • Fire Strike Ultra(4K:3840×2160ピクセル)
    • Ryzen 9 9950X:1万8036ポイント
    • Ryzen 9 9900X:1万7833ポイント
    • Ryzen 7 9700X:1万7730ポイント
    • Ryzen 5 9600X:1万7339ポイント
    • Core i9-13900K:1万7982ポイント
  • Time Spy(WQHD:2560×1440ピクセル)
    • Ryzen 9 9950X:2万5014ポイント
    • Ryzen 9 9900X:2万4848ポイント
    • Ryzen 7 9700X:2万4506ポイント
    • Ryzen 5 9600X:2万2391ポイント
    • Core i9-13900K:2万6660ポイント
  • Time Spy Extreme(4K:3840×2160ピクセル)
    • Ryzen 9 9950X:1万3806ポイント
    • Ryzen 9 9900X:1万3328ポイント
    • Ryzen 7 9700X:1万2066ポイント
    • Ryzen 5 9600X:1万1239ポイント
    • Core i9-13900K:1万4118ポイント

 Ryzen 9000Xシリーズ内で比較をすると、「Ryzen 9 9950X>Ryzen 9 9900X>Ryzen 7 9700X>Ryzen 5 7600X」という感じで上位ほどスコアが向上している。

 当初、「Ryzen 9 9900X/9950Xなら、Core i9-13900Kに勝てるのではないか?」と思っていたのだが、DirectX 11ベースのFire Strikeシリーズでは“ほぼ”完勝、DirectX 12ベースのTime Spyシリーズでは全敗という結果となった。惜しい……。

 このあたりのスコア差は、今後のOSやデバイスドライバの最適化などで埋まったり逆転したりという可能性もある。一概に「最新世代でも、Intelの1世代前の最上位には勝てない」と判断するのは尚早だろう。

 今回は時間の都合で試せなかったが、AMD純正のユーティリティーアプリ「Ryzen Master」などを使えば、スコアをもう少し改善できたかもしれない。

 ここまでのテストではっきりと言えるのは、「シングルコア性能の向上の効果は大きく、まだまだ伸びしろがあるはず」ということだ。

3DMarkの結果 3DMarkの結果

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