ファンモード別のパフォーマンスと動作音を見てみると、スタンダードやウィスパーでは相応にパフォーマンスが下がるが、静音性がグッと増す。ウィスパーモードでもネイティブのパフォーマンスはかなりのものだ。
放熱に関しても優秀で、室温27.5度とやや高めの環境でもフルスピードモードやパフォーマンスモードでも手がよく触れるパームレストは最大でも体温と同等以下と快適に利用できた。
Vivobook S 15(S5507QA)について掘り下げてみてきた。優れたパフォーマンスでありながら電力効率も高く、ボディーの熱設計に応じた柔軟な運用ができるという万能プロセッサであるSnapdragon X Elite(X1E-78-100)の特徴を生かしつつ、Copilot+ PCの第一弾として手堅くまとめた製品といった印象だ。
15.6型で約1.42kgの薄型のフォームファクターのボディーは、同社製品としては比較的地味な印象ながら、普段使いの使い勝手にストレスのないサイズと持ち運びやすさを両立している。MyASUSユーティリティーで動作モードを選ぶことで、パフォーマンス志向のPCとしてもバランス型のPCとしても、静音志向のPCとしても運用できる点は、Snapdragon X Eliteというプロセッサの特徴にフィットしており、魅力をうまく引き出しているといえる。
Copilot+ PC/新しいAI体験という目新しい要素、Armアーキテクチャ/Arm版Windows 11というクセのあるプラットフォームを採用する一方、ハードウェアは手堅く完成度が高いので、Copilot+ PC、Arm版Windows 11、Snapdragon X Elite搭載機を試してみたいという人のリファレンス的な存在として適しているだろう。
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