それでは、本機のパフォーマンスを検証しよう。MyASUSユーティリティーで設定できるファンモードについては、特に言及がない限り「フルスピード」で実行している。前回の記事でも一部のテストは掲載しているが、その後ファームウェアとOSの大きなアップデートがあったため、テストは改めて実施した。
純粋なCPUのパワーを計測するCINEBENCH 2024は、x64版/Arm版/macOS版が用意されているため、Snapdragon X Eliteのネイティブパフォーマンスを計測できるが、このスコアが非常によい。Core Ultra 9 185Hを搭載したゲーミングノートPCである「ROG Zephyrus G16(2024)」をも上回っている。
Snapdragon X Eliteの中では最も低いグレード(X1E-78-100)でありながら、これまでのSnapdragonのイメージを一新するパフォーマンスを披露している。
続いて、多様なアーキテクチャにネイティブ対応したクロスプラットフォームのベンチマークであるGeekbench 6のスコアも見てみよう。「Multi-Core」で1万4039、「Single-Core」で2408というスコアだ。Core Ultra 9 185H搭載機の上位クラスとほぼ互角であり、パフォーマンスの高さをさらに裏付ける結果となっている。
なお、Armネイティブ対応していないCINEBENCH R23(最低実行時間10分)も実行した。比較対象と比べて特にCPU(シングルコア)のスコアが低く、エミュレーションの影響が見て取れる。それでもIntelの6コアCPUレベルのマルチスレッド性能は維持しているのは立派だ。
一方、3DMarkのスコアを見ると、GPUの描画性能はさほどでもないことが分かる。Core Ultra 7 155H/Arc Graphics搭載機や、Ryzen 9 8945HS/Radeon 780M搭載機と比べると見劣るスコアだ。それでも、FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク(1920×1080ピクセル/ノートPC標準)では1万12と「快適」評価のスコアで、カジュアルゲームなら快適に遊べる。
PCMark 10については、標準のテスト(PCMark 10)は動作しないため、Microsoft Office(Word/Excel/PowerPoint/Edge)を利用してテストするPCMark 10 Applicationsを実行している。
スコアを見ると、GEEKOM NUC A8と比べてWord/Edgeで勝っている一方、ExcelとPowerPointでは振るわなかった。いずれのアプリもArmネイティブ対応だが、グラフ描画などのGPUアクセラレーションの部分で少し差がついているのかもしれない。
バッテリーのテストについても、PCMark 10 Applicationsベースで行っている。経験上、PCMark 10のバッテリーテストにおけるModern OfficeとApplicationsの違いは大差なく、どちらもオフィスアプリ中心の利用方法における実際の駆動時間の目安として有用だ。今回はウィスパーモード/画面輝度50%という条件で、バッテリー残量5%で休止状態に入るまで14時間35分動作した。
以前にレビューした」VivobookS 15 OLED BAPE Edition」は、Core i9-13900HのCPUを採用し、バッテリー容量も75WhというスペックでPCMark 10/Modern Officeで12時間54分動作している。これと比べても優秀だが、劇的というほどではないというのは前述した通りだ。
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