Snapdragon X EliteはGPUコアとして「Adreno GPU」を統合するが、これはDirectX 12に対応している。つまり、DirectX対応ゲームなどの描画についてはエミュレーションではなくネイティブ動作だ。そのため、ある程度のゲームプレイは現実的だ。
浮動小数点演算性能は最大4.6TFLOPSだが、これは上位2モデルであり、本機が搭載するX1E-78-100では、3.8TFLOPSとなる。ちなみに、IntelのCore Ultra(開発コード名:Meteor Lake)内蔵GPUは約4.6TFLOPSだ。
また、「Adoreno VPU」としてメディア処理エンジンも統合しており、AV1/H.264(MP4)/H.265(HEVC)形式の動画のハードウェアエンコード/デコードが可能だ。当然ながら、これを活用するには、アプリ側の対応が必要になる。
NPUコアとして4TOPSの演算能力をもつ「Qualcomm Hexagon」、カメラISP(イメージプロセッサ)「Qualcomm Spectra」を統合している。ストレージインタフェースは、PCIe 4.0 x4(NVMe)/SD v3.0(UHS-I)/UFS 4.0をサポートする。
通信機能については、5G対応のWWANモデム「Snapdragon X65 5G Modem-RF System」、Wi-Fi 7対応の無線LAN/Bluetooth 5.4対応の通信モジュール「Qualcomm FastConnect 7800 Mobile」をサポートする。いずれもM.2カード形式で提供されている通信モジュールであり、M.2ソケットにそれぞれのモジュールを装着することで機能を有効にできる。
従来Snapdragonといえば、WWAN機能もセットで付いているというイメージだったが、今回のCopilot+ PCでは、WWANのRFモジュールを搭載していない製品が多く、選択はPCベンダーの裁量に任されているようだ。
Snapdragon X Eliteは、NPUコアとして4TOPSの演算能力を備える「Qualcomm Hexagon」を統合している。デバイスマネージャーやタスクマネージャーでNPUの存在を確認できる
MicrosoftはCopilot+ PC向けに新しいAI機能をWindows 11に提供している。画面は「フォト」アプリに導入された「イメージクリエイター」だ。クオリティーは高くないが、気軽に何度でも画像生成遊びができるそろそろ、本機の話に戻ろう。これまで見てきたSnapdragon X Eliteの性格を知れば、最初の製品であるこの15.6型で約1.42kgというフォームファクターになったことも理解できる。パフォーマンス志向のSnapdragon X Eliteの性格を、ストレートに生かしたフォームファクターとなっている。
同社製の製品らしく、MyASUSユーティリティーでは、ファンモードが選べるようになっており、静音志向のPCとしても活用できる。
さらにMyASUSユーティリティーでは、有機ELディスプレイの焼き付き予防の設定(OLEDケア)、サウンドモードの設定、タッチパッドの設定などが用意されている。このあたりの使い勝手に関する部分は、x64版Windows 11モデルと変わりなく作り込まれている。
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