設定回りについて見ていこう。OSDメニューについては、下ディスプレイの右側面にあるボタンで操作する。上下2つのディスプレイそれぞれについて設定を行う必要があることから、本製品はOSDメニュー操作用のボタンが2組用意されており、そのいずれもが下ディスプレイの右側面に配置されている。
ボタンの構成は、項目移動用のアップボタン/ダウンボタン、さらに項目を選択するためのメニュー/電源ボタンの3つだ。これが上下の画面それぞれに用意されている。戻るボタンはなく、OSDメニュー内の「リターン」という項目で代替する仕組みで、使い勝手はあまりよくないが、利用頻度が高いわけではないので許容範囲内だろう。
ちなみに、これらは前述のアイティプロテック製品と同じなのだが、唯一異なるのは、これらに加えてもう1つ搭載されているボタンの役割だ。アイティプロテック製品では、フルスクリーンモードと分割表示モードの切り替えに割り当てられていたが、本製品ではミラーモードで使うための画面回転に割り当てられている。
本製品はフルスクリーンモードが用意されていないため、OSDメニューでも、それらに関連する項目が省かれている。
なお本製品は縦向きに表示することも可能だが、この場合、OSDメニュー操作用のボタンが並ぶ右側面を底にして立てることになる。右側面の両端にはゴム脚があるので、置いた時に誤ってボタンが押されてしまうことはないが、立てている間はOSDメニューの操作ができなくなってしまう。基本的には、横向きで使うべき製品と考えておいた方がよいだろう。
以上のように、2画面を搭載したユニークな製品であり、ざっと使った限りでは致命的な欠点は見当たらないが、前述のアイティプロテックの同等製品では対応しているフルスクリーンモードが使えないことは、製品選びに大きな影響を与えるだろう。
ちなみに実売価格で見ると、アイティプロテックの製品は5万3990円前後で、これに対して本製品の3万9800円と約1万4000円もの差がある。個人的には、フルスクリーンモードは唯一無二の機能であり、価格差としては妥当と感じるが、必要としないユーザーにとっては価格が安い方が優先順位として高いはず。どちらを選ぶかは個人によるだろう。
これ以外の相違点を見ていくと、画面輝度やコントラスト比、重量など細かい相違点はあるが、製品選びを左右するようなクリティカルなスペック差はなく、またどちらも1年保証でサポート窓口は国内ときている。従って「フルスクリーンモードを必要とするか否か」、および価格を考慮して、どちらを選ぶかを決めるとよいだろう。
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