Dyson ZoneのDNAを受け継いで誕生したのが、ダイソン初のオーディオ特化型製品であるOnTracだ。Dyson Zoneから空気清浄機能を省き、価格は7万4990円となる。Dyson Zoneの12万1000円から4万6010円の“値下げ”だ。
8基のマイクで周囲の音を1秒間に38万4000回モニタリングしてノイズを除去するという仕組みは、Dyson Zoneと同じだ。「もしも(DysonZoneから)モーターを取り外したら、どれほど強力なノイズキャンセリングを提供できるのだろうか?」と開発チームが考えたことが、OnTracが誕生したきっかけだという。
ダイソン製品を一括管理できるスマートフォン向け「My Dyson」アプリを利用すると、騒音のレベルを確認できる。耳元と周囲の音量をリアルタイムでモニタリングし、耳に有害な音量となっている場合には警告する機能もある。
40mm/16Ωというスペックのネオジウムスピーカーと、高度なオーディオ信号処理を組み合わせることで、全ての音や言葉をより正確に再現できるという。可聴域を超えた6Hzから21kHzまでの周波数を再生でき、深いサブベースから高音まで忠実に再現できる。スピーカーが耳の方向へ13度傾いているため、音がよりダイレクトに耳へ届くとのことだ。
短時間ではあるが、発表会では試聴する機会を得たので、所感をお伝えしたい。
アプリで低音域をブーストすると、低音域から中音域にかけてやや聞こえやすくなる。エンハンスド(おまかせチューニング)に切り替えると、全体的にフラットにかつクリアなサウンドへと変化。さらに全体をフラットにするニュートラルというモードもあるが、楽曲によってはエンハンスドとの差がそれほど感じられない。
ノイズキャンセリングをオンに切り替えて音楽を再生すると、周囲の音は聞こえづらくなる代わりに、一つひとつの音がより厚みを増したように聞こえ、没入感がさらに高まる。ノイズキャンセリングをオフにすると、イヤーカップにより外部の騒音が軽減されるが、ノイズキャンセリングオンの方が当然、没入感は高まり迫力も増す。
イヤークッションにはマイクロファイバー生地を採用し、「どのような頭の形、どのような耳の形であれ、適合するようになっており、まるで耳が息をできるかのような快適性を保てる」(ジェイク氏)。数分ながら装着すると、約451gの重量を「軽い」と感じてしまうほど、付け心地がよく締め付けられている感はほとんどない。
ボディーカラーは「CNCアルミニウム」「CNCコッパー」「セラミックシナバー」「CNCブラックニッケル」の4つで、いずれもジェイク氏とCMF(色・素材・仕上げ)チームがデザインしたという。別売オプションのアウターキャップとイヤークッション(それぞれ7色展開)を付け替えることで、外観をカスタマイズ可能だ。
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