ダイソンは9月19日、ノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスヘッドフォン「Dyson OnTracヘッドホン」を日本で発売した。直販サイトでの価格は7万4990円(税込み、以下同)となっている。
まず同日から、ESTNATION(エストネーション)の全店舗、ビームス 原宿(東京都渋谷区)、ビームス メン 渋谷(同)、GR8(同)、SELECT by BAYCREW'S(東京都港区)において期間限定の先行販売が始まっており、10月18日からは家電量販店でも順次販売を開始する予定だ。
本製品は7月にグローバル発表され、今回日本上陸を果たした格好だ。業界最高クラスをうたう最大40dBのノイズキャンセリング機能を搭載し、1日以上音楽を聞ける「最長55時間の音楽再生」も売りの1つとする他、オプションの付け替えでボディーカラーのカスタマイズもできる。
「コードレス掃除機ならダイソン」というイメージが定着した今、ダイソンがオーディオ製品を手掛ける理由は何か? 9月19日、英Dyson(ダイソンの親会社)を創業したジェームズ・ダイソン氏の長男で、同社のチーフエンジニアでもあるジェイク・ダイソン氏が来日し、製品化に至った経緯や製品の特徴を語った。
ジェイク氏は、父であるジェームズ氏をこう語った。
父はさまざまな発明をしてきた。家では皮むき機を(作り)、製品化に至ったものでは掃除機(がある)。私はその“発明力”を学び、既存商品よりもよい物を世に出したい、という父の考えを受け継いでいきたいと考える。
そんな思いから誕生した数ある製品の1つが、LED照明「Dyson CSYS タスクライト」だ。LED照明の寿命を「飛躍的に延ばした」とするこの製品は、LEDランプから発せられる熱を放散させる「ヒートパイプテクノロジー」を搭載することで、明るさを37年以上も維持できるという。
ジェイク氏は、これまでに「日本でのもの作りにも挑戦してきた」と振り返る。「ファッションデザイナーの三宅一生氏と六本木ヒルズで出会ったときには、彼にテクノロジーをアピールした」とジェイク氏。2002年には「サイクロン」「風」をテーマとしたファッションショーのステージデザインを依頼され、三宅氏も同じテーマで作品を制作した歴史もある。
このようなテクノロジープロダクトのポートフォリオは、「その後も徐々に拡大した」とジェイク氏は語る。製品が機能するために空気が流れる仕組みは、掃除機だけでなく「空気清浄機」「ヘアケアカテゴリーの製品」にも受け継がれているそうだ。
Dysonの開発チームは「なるべく静かな環境で、我々の製品を使っていただくことが重要だ」(ジェイク氏)という観点から、静音性にもこだわっている。「製品が使用されているときに、あまり音を立ててはいけない」ということだ。
この要素を製品に落とし込むべく、「我々は過去30年間、どのようにして音を扱い、そして、騒音を低減させるのか、ということにも向き合ってきた」(ジェイク氏)。その結果、2023年に生まれたのが、同社初の“ウェアラブル”製品「Dyson Zone 空気清浄ヘッドホン」だ。
本製品はアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能付きヘッドフォンと空気清浄機を“一体化”したデバイスであり、大気汚染と騒音の2つの課題を解決するべく、ダイソンが6年の開発期間を経て製品化したという。
イヤーカップ内のコンプレッサーが二重構造のフィルター(静電フィルター/カーボンフィルター)を通して外気を取り込み、浄化した気流を口元と鼻を覆うシールドへ届ける構造となっており、「身につけた人が、大気汚染を避けながら、音楽を聞ける」ようになった。
ダイソンがノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスヘッドフォン オプションの付け替えで筐体カラーのカスタマイズも可能
ダイソンが空気清浄機付きANCヘッドフォン「Dyson Zone」を日本でも発売 試して分かった装着感
ダイソンが中学生に自社の掃除機をバラバラにさせる理由とは?
ダイソン、掃除機がけ+水拭きを同時に行える多機能設計のスティック掃除機「Dyson WashG1」
Appleがヘッドフォンの極限を目指すとどうなるのか? 「AirPods Max」への期待Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.