映像品質と同じく感銘を受けたのが、マイクの録音品質です。前述したボックス式のシェアオフィスは空調の通気口が近い場所にあるため、強いノイズにまみれがちです。
オンライン会議アプリのノイズキャンセリング機能も、年々その精度と効率を高めてきていますが、ボリュームの大きなノイズが入ると声への影響が大きく、たまに声がブツブツを切れてしまいます。ミーティング相手にとっては、今何を言っていたのかが判断しにくく、ミーティングの進行の妨げとなります。
しかし、Insta360 Link 2シリーズのマイク録音品質は上々です。声/ノイズ成分の認識力が高く、声は強調したうえでノイズをしっかりと除去してくれます。
また、ノイズキャンセリングを「混雑」モードとすることで、周囲の人の声を省いてハウリングしにくくなります。他の人が同席しているオフィスや会議室でも扱いやすいこのモードこそ欲しかった、という方もいるでしょう。
Insta360 Link 2シリーズをPCで使うには、専用アプリの「Insta360 Link Controller」が必要です。Insta360 Link 2シリーズの性能や多機能をフルに引き出すための操作画面がまとめられています。
Insta360 Link Controllerを使っていて特に良いと感じたポイントは、背景のぼかし、ボケ、置き換えやフィルターを適用した映像を他のアプリに送ることができることです。
OBS Studioで試してみましたが、映像をライブ配信で扱いやすい状態に整えるOBS Studio側のプラグインを駆使せずに済むため、リッチな映像を作り込む際にPCのCPU/GPUへの負荷が減るのではという期待をしたくなりました。
あまりにも多機能なため、普段は使わない機能も出てくるでしょう。そんなときはInsta360 Link Controllerで不要な機能をOFFにすれば大丈夫です。初期設定は必要ですが、不安を感じる要素をなくしてくれる設計思想が素晴らしいですね。
暗い場所でも十分な映像品質が出せるし、明るい場所であれば4Kの高解像性能が生かせる──そんなInsta360 Link 2シリーズは、オンラインミーティングだけで使うのはもったいないのではないかとも感じてきました。複数台のInsta360 Link 2シリーズを1台のPCに接続し、Elgato Stream Deckなどのガジェットで素早く切り替えていけば、ライブコマースでも生きるカメラになるのではないでしょうか。
実はInsta360 Link Controllerを使えば縦位置動画もカンタンに設定できます。
1台目のInsta360 Link 2Cは真正面から自分の姿を捉え、2台目のInsta360 Link 2は斜めしたから煽るように、3台目は真上にセッティングしてデスクビューモードで手元がしっかりと映せるようにする。実際に試したわけではありませんが、5分もかけずにこんなセッティングができそうという予感があります。
いずれも本体側に三脚穴を装備しているので、さまざまなスタイルでのセッティングが可能です。しかも配信用PCとUSB Type-Cケーブル1本でつなぐだけ。HDMI&HDMIスイッチャーを使わなくても良いという気楽さは、ライブ配信をしてみたくなるというモチベーションにつながります。
(製品協力:Insta360)
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