HPでは、5月以降に発表されたPC(ゲーミング製品を除く)に新ブランドルールを適用している。それに併せて、Copilot+ PCの要件を満たすモデルには新しいマーク「HP AI Helix」を付与している。これはDNAのらせん構造をモチーフとしており、「AIのDNAをPCに組み込む」というコンセプトを表しているという。
10月4日に開催された新製品発表会では、日本HPが新しいAI PCを積極的に投入する背景が説明された。
HPが定期的に実施している「Work Relationship Index」の2024年調査によると、世界12カ国のナレッジワーカーのAI利用率は66%に達し、前年比で28ポイント増加したという。
この利用率は12カ国の合算で、日本に絞るとAI利用率は38%で、前年比で11ポイント増加したものの、他国と比べると遅れが見られる。AI活用者の73%はAIによって「仕事が楽になった」と感じ、68%は「仕事を楽しむ新たな機会を得られた」と回答するなど、AI活用に対する肯定的な反応が増加している。
特にZ世代とミレニアル世代の若年層でAIの利用が進んでいるという。
仕事や学習においてAIの活用が進む中、HPは新しいAI PC(Copilot+ PC)を積極的に開発/販売することで、人々のライフスタイルの変化に対応しようとしている。同社はPCの役割は「パーソナルコンピュータ」から「パーソナルコンパニオン」に変わるという前提の元、活動を進めている。
日本HPの松浦徹執行役員は「AIの活用というのは、若い人に限定したものではない。AIを今後活用していこうという方々全般に向けた製品になっている」と述べた。
今回の発表はOmniBook Ultra Flip 14がメインだが、QualcommのSoCを搭載する「HP OmniBook X AI PC」にもアップデートが行われる。
既存のOmniBook X 14は、Snapdragon X Elite(X1E-78-100)と16GBメモリを搭載する構成(アドバンスモデル)のみ用意されていたが、新たに「Snapdragon X Plus」の8コア仕様(X1P-42-100)を搭載する「スターターモデル」が追加される。ストレージは512GB SSDで、ディスプレイの最大輝度が300ニトから400ニトに引き上げられた。直販標準価格は19万8000円と、20万円を切っている。
また、既存のSnapdragon X Eliteモデルをベースに、メモリを32GBに倍増した「アドバンスプラスモデル」が10月下旬に登場する。本モデルもディスプレイの最大輝度が400ニトに引き上げられている。直販標準価格は26万9500円だ。
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